第三十一話 しっかりした人その二
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「普通によ」
「野垂れ死にっていうのね」
「それ以外の未来はね」
それこそというのだ。
「ないわよ」
「そう思うでしょ、けれど世の中生活保護があるのよ」
「ああ、あれね」
「それをずる賢く立ち回ってね」
そうしてというのだ。
「貰ってね」
「生きていくの」
「そんな方法もあるみたいよ」
「そうなの」
「最近それが問題になっているけれど」
生活保護の不正受給者の問題である、貰うべき人が貰えず胡散臭い輩が手に入れているのでは話にならないからだ。
「それでね」
「貰ってなの」
「生きてるかもね」
「嫌な話ね」
「そんなどうしようもないの生きていたら駄目でしょ」
理虹は眉を曇らせて言った。
「一華達のお話聞いたら最低じゃない」
「そうよね」
留奈もその通りと返した。
「どう考えても」
「所謂ドキュンじゃなくてもね」
「レベル的には一緒でもね」
「それでも屑じゃない」
このことは否定出来ないというのだ。
「どうしようもないね」
「もう絶対に更正しない」
「いや、何でそんな人になったか」
理虹は首を傾げさせて言った。
「もうね」
「不思議な位よね」
「母親に甘やかされたっていうけれど」
「その母親もかなり酷い奴でしょうね」
「そうそう酷い親じゃないとそんな子供にならないわね」
「子供は親の背中見て育つしね」
「それじゃあね」
碌でもない親だからだというのだ。
「親も知れたものね」
「とんでもない親でしょうね」
「というか甘やかしたにしても」
かな恵も思うことだった。
「甘やかし方に問題ない?」
「酷い甘やかし方ね」
「普通そんな働かない感謝しない器も小さい図々しいし尊大で遠慮もしないなんてね」
「いいところないからね」
「そんなの普通に育っていたら」
かな恵は理虹に話した。
「そうそうはね」
「ならないわよね」
「そうよ。かなり酷い親でね」
「かなり酷く甘やかしたから」
「そうなったのよ、しかし奥さんに何でもお世話になっていて」
「爪切りまでね」
「出て行かれて自分が悪いと思わないで」
かな恵は話しているうちに眉を曇らせて言った。
「爪切りまで持って行ったとか」
「恩知らずよね」
「しかも器が小さくてね」
「爪切りまでお世話になってる甲斐性なしで」
「それを言う無神経さ」
「酷いわね」
「そんな言葉聞いた瞬間に駄目だって思うわ」
そこまでのものだというのだ。
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