暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第122話:繋がりの形
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に、了子は思い出したように声を掛けた。

「優しいと言えばさ? そう言う貴女の方も十分に優しいんじゃない?」
「どういう意味です?」
「颯人君の事、時々優しい目で見てるわよね? 颯人君には見えないみたいだけど、私からは良く見えてるわよ?」

 了子からの指摘に、アルドは何も答えなかった。だが何かを言おうと言う気はあるのか、その場で固まった様に動かず扉をジッと見つめていた。

 黙るアルドを急かすことせず、了子は机に頬杖を突きながらじっと見つめる。どれ程時間が経ったか、言葉が纏まったらしきアルドが了子からの言葉に答えた。

「私だって、颯人を無理矢理戦わせている事に対して思う事はあるんです。それでは、失礼します」

 早口で言いたい事を言い切ると、アルドは逃げるように部屋から出て行った。それ以上の追及は勘弁してくれと言うかのようだ。

 了子はアルドが出て行った後の扉を見ていたが、視線を外すと改めてアルドが纏めてくれた資料に目を通した。

「本当にそれだけの理由なのかしらね? 私の目からは、まるで子を見守る親みたいな視線に見えたけれど…………。ま、私子供なんてまだいないけれども」

 自嘲するようなその呟きは、誰の耳に入る事も無く部屋の中に溶けるように消えていった。

 その後室内には、資料を捲る音とパソコンのキーボードを叩く音が暫くの間響くのだった。
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