救出
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…ばくれつ! 勇者パンチ!」
友奈は腰を入れたパンチをムーンキャンサーの腹に放つ。
花びらが舞い、あらゆる敵への切り札となった技が炸裂する。命中と同時に、桃色の花びらが大きく花開く。
だが、先ほどと同じく、衝撃を完全に吸収され、ムーンキャンサーには何一つダメージを与えられなかった。
それどころか、ムーンキャンサーは再び友奈を見下ろしている。
そして、放たれる触手。それに捕縛されれば、友奈の体液を吸収しようとすることはもう知っている。
友奈は一つ一つの触手を弾き返しながら、さらにアンチを背中でムーンキャンサーから引き離していく。
さらに、ムーンキャンサーの口から超音波メスが放たれた。
あれは、勇者パンチで相殺できる。
先ほどと同じく、超音波メスは友奈の拳によって四方八方に霧散する。
だが今度は、ムーンキャンサーも他の手段を講じていた。
その触手の先端に生成されていくのは、超音波メスではなく、紅蓮の火球。
それまでのムーンキャンサーが使ってきた技とは一転、素早さを犠牲に威力を上げたそれ。
「勇者パンチ!」
すでに避けることは不可能。
花びらのエフェクトとともに、勇者の拳は火球を相殺していく。
だが、だんだんと花びらは砕かれていく。やがて完全に?き消えた花びらととともに、火球は、友奈の勇者服を無造作に焼き尽くし、破壊していく。
「がはっ!」
例え勇者服に守られていたとしても、神黄の加護が残っている友奈以外の人間であれば命はなかっただろう。
視界がぼんやりとしながら、友奈はムーンキャンサーを睨む。
薄れていく視界の中で、二か所、赤い光が灯っていた。
先ほどの火球。しかも今度は、それは二つも生成されている。その温度は太陽の表面温度さえも上回る。炎はプラズマと化し、友奈を骨も残さず蒸発させるつもりだろう。
その時。
ぼやけていく視界の中、友奈はムーンキャンサーの近くに落ちている光を見つけた。
「……っ!」
迷っている暇はない。
友奈は転がって、ムーンキャンサーの火球を回避。洞窟の壁面が大きく蒸発し、巨大なクレーターが洞窟内に広がった。
背中が熱風に煽られ、爛れる痛みを受けながらも、友奈はそのまま光に手を伸ばし、その円筒を掴んだ。
「これは……!」
肩に圧し掛かる重さ。
それは間違いなく、龍騎の手から離れたドラグセイバーだった。
ダメージはまだ残っている。視界は戻らない。動きも鈍い。
だが、チャンスは今しかない。
「うおおおおおおおおおおおっ!」
友奈は自らを奮い立たせるように声を荒げる。
ドラグセイバーを振るい、友奈は駆け出した。
無数の超音波メスを掻い潜り、スライディングによりムーンキャンサー
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