今度は、きっと
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異変前の、命の大樹に向かう前夜。
「───セーニャ、約束して。この先あたしの身に何かあっても、一人で生きていけるって」
「そんな約束??出来ません。お姉様が居なくなるなんて、私考えられませんわ」
「????」
「お姉、様???」
ベロニカが起き上がる気配を感じ、顔を向けるセーニャ。
「ちょっと外の空気吸ってくるだけよ、気にしないでちょうだい」
ベロニカが女子側のテントから出ると、少し先に外で座り込み命の大樹の清浄な輝きを見上げる一人の姿があった。
「ジュイネ??あんたも、眠れないの?」
「あ??うん、何だか落ち着かなくて」
「緊張するのも無理はないわ。命の大樹から闇を払う大いなるチカラを授かって、ウルノーガって奴を炙り出して倒さなきゃならないんだし」
?ジュイネの隣にちょこんと座るベロニカ。
「僕に、出来るのかな??みんなに守られてばかりの僕なんかに」
「守られてばかりってわけでもないんじゃない? サマディーではファーリス王子の影武者になって馬レースでいい走りを見せてくれたでしょ、??二位だったけど。グロッタの仮面武闘会ではパートナーは不正行為しちゃってたけど、あんたは正々堂々と虹色の枝の為に闘ってたんだし。??プチャラオ村の壁画の美女の件では、壁画世界でみんな触手にやられそうになった所をあんたが助けてくれたじゃないの」
「不正行為だったっていっても、パートナーが強かったから優勝まで行けたんだよ。僕一人のチカラだったら??優勝は出来なかったと思う。それに、壁画世界で多くの触手に追い詰められた時は??結構焦ってたし僕自身が何とかしようと思ったわけじゃなくて、いつものようにアザが勝手に光り出したから??アザのチカラを使えばいいんだっていう感じだったし」
「めんどくさいわねあんた??少しは自信持ちなさいよ、出会ったばかりの頃よりはそれなりにあんたも強くなってるんだから」
「そうだといいけど??。女の子にまで助けてもらってばかりっていうのも、何だか情けないなって」
「何よ、あたし達に助けられるのが不満だって言いたいのっ?」
「そういうわけじゃ??なんて言うか思い返してみると、セーニャやマルティナに手を引かれたり、ベロニカには氷漬けにされ掛けた所を助けてもらったり、その後寒さで寝込んだ時に看病してもらったり??僕ってほんとに、勇者なのかな」
「まぁ確かにどっちが女の子よって感じもするけど??あんたはまだ勇者として未熟なのよ。だから大人しく、あたし達に守られてればいいのっ」
「そんなのヤダよ、僕だってちゃんとみんなを守りたい。だって勇者は、守る側の立場のはずでしょ?」
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