誓いの静寂の森
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「こわい、よ???」
「??大丈夫よ、ジュイネ。あたし達が??あたしが、あんたをちゃんと守ってあげるから??安心してお休みなさい」
ジュイネの片手を小さな両の手で包み込むベロニカ。
「───??」
「(そうよ??勇者を守るという使命を帯びた双賢の姉妹として、あたしはジュイネを守りきってみせるわ。例え、この身を挺してでも───)」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「(??ん??、あら? あたしってばジュイネを看病してたはずなのに、いつの間にか寝てた???? おっかしいわねぇ??どうして森の中に居るのかしら、あたし。木にもたれ掛かって寝てたみたい??。確か、雪に覆われたミルレアンの森近くの山小屋に居たはずよね)」
ベロニカはいつもの感覚で立ち上がったが、目線がいつもより高い気がして一瞬ふらついた。
「(??って、あぁ?! 立ってみて気づいたけど、あたし大人の姿に戻ってる!? どうなってるのよ??若返って子供の姿になってたはずなのに。そういえば、ここの森の雰囲気??ラムダの里の静寂の森じゃないかしら。小さい頃、セーニャとよく一緒に遊んだ??。それならほぼ里内よね、とりあえず森を出て長老様に話を───)」
「????」
「(って、近くに小さい子供がうつ伏せで倒れてる??!? 大変だわっ)ちょっとあんた??大丈夫?!」
すぐに駆け寄り仰向けに抱き起こす。
「うー、ん??」
「(えっ、ちょっと待って??まるでこの子、ジュイネが幼くなったみたいな───)」
「んー? ??赤い帽子のお姉ちゃん、だぁれ??」
まだ眠たげに目をこする、素朴な村人の服装の小さな子供。
「あっ、あたしはベロニカよ? あんた??名前はっ?」
「ぼく、ジュイネっていうんだよ」
「やっ、やっぱり??! どういう事よジュイネ、あたしが大人に戻っててあんたが子供になってるなんて??!」
「お姉ちゃん、なに言ってるの?? ここ、どこ?」
「こ、ここは??聖地ラムダの、静寂の森のはずなんだけど??」
「せーじゃくのもり??? 知らないとこだけど、お姉ちゃんあそぼーよ!」
「へっ?」
「───えいっ」
「あ、こら! あたしの帽子??!」
抱き起こされていた姿勢から素早くベロニカの帽子を取り去り、駆け離れる幼少期らしきジュイネ。
「へへーん、くやしかったら取り返してみせなよベロニカお姉ちゃーん!」
赤帽子をぶんぶん振り回し挑発してくる。
「このぉ??、大人しそうな顔して随分イタズラっ子じゃないのよ。待ちなさいこらーっ!!」
追いかけ回すベロニカだが、幼少のジュイネはすばしっこく逃げ回る
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