溯る先に失い得るもの
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勘ってやつかな」
「勘にしては、的確過ぎるが??まぁいい。捕らえておいた間は、悪いようにはしなかった。後で村の皆に顔を見せてやるといい。城の宴にも参加してもらっている。??今勇者は体調が優れないという事で、面会は控えてもらっているが」
「何から何まで、気遣ってくれてありがとうグレイグ??将軍」
「それくらい、どうという事はない。これまでの非礼を考えれば??」
「そのことはもういいよ、誤解は解けたんだし」
「いや、それでは俺の気が済まぬ。何か報いる方法はないだろうか??」
「はは??ほんとにグレイグは生真面目なんだから」
「むう??」
「何だかジュイネ様とグレイグ将軍様は、敵対していたとは思えない穏やかな感じが致しますね」
「そうなのだろうか??圧倒的に敵対していた期間が長い気がするが。いや、そうでもない、のか???」
「????」
グレイグから怪訝そうな表情を向けられても、ジュイネは曖昧な微笑を浮かべるだけだった。
───その時、城中が激しい地響きに見舞われる
「何だ、何が起きたのだ??!?」
「!! 玉座の間の方から??とても禍々しい気配がします??!」
「(──??っ、やっぱりあいつが)」
疼く胸元を抑えるジュイネ。
「すぐに向かわねば、デルカダール王が??ッ! いや、これはまさか───」
「ジュイネ、大変よ??!」
マルティナが動揺した様子で貴賓室に駆け込んで来る。
「姫様、どうされたのですッ?」
「ベロニカとカミュ、シルビアとロウ様が??私の父から突如現れ出たウルノーガと名乗る者に、操られてしまったの??っ」
「そん、な??!(くそ、呑気に休んでる場合じゃなかった。あいつがウルノーガだって、分かっていたのに)」
「違和感の正体を確かめる為に、思い切って玉座の間に向かったんだけど??お父様の中から急に現れたそいつがウルノーガと名乗り、いつの間にか操られていたカミュやベロニカ、シルビアとロウ様に阻まれてしまったの。迂闊だったわ??!」
「??セーニャ、剣を渡して」
「は、はい??!」
「玉座の間へ行こう。ウルノーガを今度こそ倒して、仲間を救うんだ」
「勿論よ、16年前の借りを??きっちり返させてもらうわ!」
「ジュイネよ、俺も共に闘わせてくれ。??16年間もの間謀られていた事実に驚愕などしている暇はない。───今この時より勇者ジュイネの盾となり共に闘うと誓おうッ!」
「??そう言ってくれると思っていたよグレイグ、一緒に闘おう」
玉座の間へ。
「ククク??待っていたぞ悪魔の子よ。いいや、勇者ジュイネと呼ぶべきか???」
「呼び名なんてど
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