溯る先に失い得るもの
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「ほんとはあたしが預かっておきたい所だけど、この子供の姿じゃね??。あたし達は勇者を守る双賢の姉妹??なら勇者の剣も守る使命にあるのよ」
「は、はい??! お任せ下さい、片時も離しませんわっ」
セーニャは緊張した面持ちでジュイネの手からそっと剣を預かり持つ。
「そういうことだから、残念ね。デルカダール王には、“あなたには渡せない”と伝えておいてちょうだい?」
「──??との、事です」
「ほう??成程。ならば我がデルカダール城で宴の準備をしようではないか。長年に渡るホメロスの謀りから解放されたのだからな? 勇者殿も、その内体調は良くなるだろう」
「????」
皆デルカダール城へ招かれ、ジュイネは貴賓室のベッドへと運ばれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ん??」
「あ、ジュイネ様??! お目覚めになられましたか?」
「あれ、僕は───」
「命の大樹の魂から勇者の剣を授かった後、倒れられたのですよ。私達を強力な闇の魔力から身体を張って守ってくれたんですもの??無理もありませんわ」
「勇者の剣??セーニャが両手に抱えてるみたいだけど」
「あ、はい。お姉様に頼まれたのです。ジュイネ様がお元気になられるまでは、私が預かっておくようにと」
「そうなんだ??。ベロニカや、他のみんなは?」
「お姉様は、気になることがあると言ってお城の中を調べてらっしゃいますわ。それにカミュ様やロウ様、シルビア様が同行されています。マルティナ様は、お父上のデルカダール王様と親子水入らず??というわけにもいかないご様子でしたけど」
「どういう、意味?」
「何か、不穏な気配を感じ取っているようで、今は余り近寄りたくないと仰っていました??」
「(それも、そうか??)」
「とりあえずは、ご自分のお部屋に16年振りに戻って、少し休むそうですわ。後でジュイネ様の様子を見に来るとも仰ってました」
そこでコンコンと控え目にドアを叩く音がしてくる。
「あ、噂をすればマルティナ様でしょうか」
「待って、??違う気がする」
「俺だ、グレイグだ??入っても、いいだろうか」
「グレイグ将軍、様???」
「??どうぞ、入って」
「───休んでいる所、済まない。お前に??勇者に伝えておきたい事があったのだ」
「何、かな」
「イシの村の、住人を解放した」
「はい? ??どういう、ことでしょうか。イシの村の方々は───」
「それは??」
「みんな、殺されてしまう所をグレイグ??将軍が止めてくれたんでしょう。そして、デルカダール城に捕らえておいた」
「何故、それを」
「あ??、勇者の
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