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DQ11長編+短編集
溯る先に失い得るもの
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ス───)」

 グレイグは後に残ったペンダントを拾い上げた。

「????」

「グレイグ将軍、よくぞホメロスの暗躍を見破った。奴は魔の者に魂を売り、命の大樹の魂の力を我が物にしようとしていた。??そしてそれを阻止したそなた達の功績も大きい」

 ジュイネ達へ向け言葉を掛けるデルカダール王。


「お父、様???」

「ん? ??おぉ、そなたはまさか、我が娘マルティナか? よくぞ、生きていてくれた。さぁ、よく顔を見せてくれ」

「はい??」

 戸惑いつつデルカダール王に近寄るマルティナ。

「───して、ジュイネよ??これまでの無礼を詫びさせて欲しい。全ては魔に染まったホメロスに誑かされたのだ。そなたは悪魔の子などではなく、れっきとした勇者。改めて、命の大樹から勇者の剣を授かるが良い」


「───??」

「どうしたのじゃジュイネ、俯いたりしおって。胸を張るのじゃ、あのデルカダール王がお主を勇者と認めたのじゃぞ」

「??分かってる」

 ロウに言われ大樹の魂に向き直り、蔦が解かれ内包されている勇者の剣を手に取る。

「おぉ、何と眩い??ッ! さぁジュイネよ、その勇者の剣を我によく見せてくれ」

「????」

 振り向くもののデルカダール王に歩み寄ろうとはしないジュイネ。

「??どうしたのだ?」


「───う??っ」

「!? おいジュイネ、大丈夫か???!」

 倒れ掛かるのをカミュが咄嗟に抱き支え、シルビア、セーニャも気が気でない。

「ジュイネちゃん、しっかり??!」

「ジュイネ様??!」

「ジュイネ!」

 デルカダール王から離れ駆け寄るマルティナ。


「先程の闘いで無理をしおったか??!?」

「????」

 ロウもジュイネの身体を案じるが、ベロニカは何とも言えない複雑な面持ちをしている。


「ふむ??どうやら勇者は相当疲れているようだな。グレイグよ、勇者の剣を預かって来るのだ。丁重に、扱え」

「いえ、しかしあれは」

「??これは命令ぞ」

「御意??」


「───何か用かしら、グレイグ将軍。ジュイネは今、休ませなきゃならないのよ」

 小さい身体で大柄なグレイグの前に立ちはだかるベロニカ。

「??勇者の剣を、我々に預からせて欲しい」

「あら、それはダメね。これは、勇者であるジュイネの剣よ。彼以外には、触れさせないわ」

「しかしジュイネは??今その者は、勇者の剣を手にしているのもやっとだろう。我らデルカダール王国が、厳重に管理させてもら───」

「セーニャ、あんたが勇者の剣をジュイネに代わって持ってなさい」

「はい? えっ? 私ですか??!?」


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