溯る先に失い得るもの
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ス───)」
グレイグは後に残ったペンダントを拾い上げた。
「????」
「グレイグ将軍、よくぞホメロスの暗躍を見破った。奴は魔の者に魂を売り、命の大樹の魂の力を我が物にしようとしていた。??そしてそれを阻止したそなた達の功績も大きい」
ジュイネ達へ向け言葉を掛けるデルカダール王。
「お父、様???」
「ん? ??おぉ、そなたはまさか、我が娘マルティナか? よくぞ、生きていてくれた。さぁ、よく顔を見せてくれ」
「はい??」
戸惑いつつデルカダール王に近寄るマルティナ。
「───して、ジュイネよ??これまでの無礼を詫びさせて欲しい。全ては魔に染まったホメロスに誑かされたのだ。そなたは悪魔の子などではなく、れっきとした勇者。改めて、命の大樹から勇者の剣を授かるが良い」
「───??」
「どうしたのじゃジュイネ、俯いたりしおって。胸を張るのじゃ、あのデルカダール王がお主を勇者と認めたのじゃぞ」
「??分かってる」
ロウに言われ大樹の魂に向き直り、蔦が解かれ内包されている勇者の剣を手に取る。
「おぉ、何と眩い??ッ! さぁジュイネよ、その勇者の剣を我によく見せてくれ」
「????」
振り向くもののデルカダール王に歩み寄ろうとはしないジュイネ。
「??どうしたのだ?」
「───う??っ」
「!? おいジュイネ、大丈夫か???!」
倒れ掛かるのをカミュが咄嗟に抱き支え、シルビア、セーニャも気が気でない。
「ジュイネちゃん、しっかり??!」
「ジュイネ様??!」
「ジュイネ!」
デルカダール王から離れ駆け寄るマルティナ。
「先程の闘いで無理をしおったか??!?」
「????」
ロウもジュイネの身体を案じるが、ベロニカは何とも言えない複雑な面持ちをしている。
「ふむ??どうやら勇者は相当疲れているようだな。グレイグよ、勇者の剣を預かって来るのだ。丁重に、扱え」
「いえ、しかしあれは」
「??これは命令ぞ」
「御意??」
「───何か用かしら、グレイグ将軍。ジュイネは今、休ませなきゃならないのよ」
小さい身体で大柄なグレイグの前に立ちはだかるベロニカ。
「??勇者の剣を、我々に預からせて欲しい」
「あら、それはダメね。これは、勇者であるジュイネの剣よ。彼以外には、触れさせないわ」
「しかしジュイネは??今その者は、勇者の剣を手にしているのもやっとだろう。我らデルカダール王国が、厳重に管理させてもら───」
「セーニャ、あんたが勇者の剣をジュイネに代わって持ってなさい」
「はい? えっ? 私ですか??!?」
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