溯る先に失い得るもの
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る。
「セーニャちゃん、ジュイネちゃんに竪琴の音色を聴かせてあげたらいいんじゃないかしら」
「そうですね??少しでもジュイネ様のお心が休まれば───」
シルビアに提案され竪琴を構えるセーニャ。
「いいんだ、もう??いいんだよ」
竪琴の音色を遮り、おもむろに身体を起こすジュイネに怪訝な表情を浮かべるグレイグ。
「何が??いいというのだ?」
「───世界を救い直すって、決めたから。今のこの世界を??過去へ巻き戻すって」
「何だとッ? ジュイネ、本気か?」
「何言ってんだジュイネ、そんな事したら今までオレ達がしてきた事を否定して諦める事になるって言ったのは、お前だろうが!」
カミュがジュイネの胸ぐらを掴んだ為、シルビアが止めに入る。
「ちょっとカミュちゃん、おやめなさいって??!」
「世界を救い直す、か??。聞こえはいいが、お主がしようとしているのは、今ここに居るわしらを無かった事にしてしまうのじゃぞ」
「その通りです??。お姉様のお陰で“今”の私達が居て、それを失くす行為はそれこそ、お姉様を二度死なせてしまう事になる、と??私は言いましたよね。そしてジュイネ様は、お姉様の想いを無駄にしたくはないと仰った」
「ジュイネ、考え直してくれ。悪い夢を見た直後で、気持ちが乱れているんじゃないのか? ??これまでの絆を丸ごと否定して無かった事にはしたくないと、言っていたではないか」
ロウ、セーニャ、グレイグはそう言い聞かすが、ジュイネは突如片手を空へ向けライデインを放ち、共同テントとその場の仲間を吹き飛ばす。
「くっ??! 本気、なのねジュイネ??。なら私達も、本気で貴方を止めさせてもらうわ!」
戦闘態勢をとるマルティナ。
「ごめん、みんなをこれ以上傷つけるつもりはないから、忘れて。??みんなで、今度こそ世界を救い直そう。過去で、待っててよ。必ず、みんなを迎えに行くから」
ふわりと急に空の彼方へと消える。
「ルーラを使いおったか??! しかしとこしえの神殿へは直接ルーラでは向かえないはず??。だとするとルーラで何処かへ向かいそこから天空のフルートを使ってケトスを呼ぶ気じゃな??!」
「??みんな見て! 北の方角へケトスちゃんが飛んでいくわよ!?」
「あいつ、本気で独りで??ッ」
「??──いいや、独りではない」
「グレイグ、様???」
ロウ、シルビア、カミュは悔しい気持ちで空を見上げ、グレイグは独りごちするように呟いた為セーニャは怪訝そうな顔を向ける。
「俺達は記憶を持っていけないにしても、皆で過去へ戻るのだ。ジュイネと共に??」
「グレイグ様は、本当にそれでいいのです
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