溯る先に失い得るもの
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二度ト 循環ニ 戻レナイ』
「ベロニカの魂は、魔王誕生時にほとんど消えて??欠片も、二度と命の大樹の循環に戻れないということ???」
「バカ言わないで、あたしの魂は??! ぁぐっ」
ベロニカはギリギリとキツく触手に締め付けられる。
「ベロニカ! ───くそ、やめろ!!」
小さき黒い存在の触手を引き剥がそうとするジュイネだが、触れられずにすり抜けてしまう。
『大樹ガ復活シテモ 多クノ魂 循環ニ 戻レズ 消エタ。無力ナ勇者??全テハ オ前ノセイ』
「??っ!!(じゃあ、母上と父上も───)」
「それは、違っ??!」
「どう、すれば??どうすれば、いいって言うんだよ??」
『過去ヘ戻リ 魔王誕生ヲ 阻止セヨ。方法ハ ソレシカナイ』
「(だめ??だめよジュイネ??そいつの言う事を聞いたら??! く、声が届かない??っ)」
「お前の??お前の、目的は何なんだ」
『貴様ノ 知ルトコロデハ ナイ』
「????」
『コノ娘ノ 魂ノ欠片 妹ノ 中ニサエ 存在スレバ 過去ヘ 問題ナク 戻レル』
『ダガ 今ココデ 我ガ 魂ノ欠片 捕食 スレバ 現在ノ コノ娘ノ 存在ノミ 全テノ記憶カラ 消エ失セル
過去モ 同様ニ 存在シナクナル』
『ソレハ 本当ノ 死ヲ 意味スル』
「────っ。過去へ戻って魔王誕生を阻止する以外に、僕に選択肢は無いということか」
『ソウイウ コトダ』
「(やめて??それじゃあ、ジュイネ自身が───)」
「分かった、過去へ遡る。??だから、ベロニカの魂の欠片を解放してセーニャに戻してくれ」
『イイダロウ。約束 違エルナヨ。イツデモ コノ娘ノ 魂ノ欠片ヲ 捕食 出来ルノダ カラナ』
触手からベロニカを解放する黒き存在。
「ジュイネ、だめよ??こいつはあんたを」
「ベロニカ、待ってて。ベロニカも??多くの人々の命も救いに、過ぎ去りし時を求めて世界を救い直すから」
「??───っ!!」
ベロニカの悲痛な声無き声と共に、ジュイネの意識は急速に現実へ引き戻される。
「──イネ、ジュイネ、しっかりしろッ??!」
「───っ! グレイ、グ???」
「かなり、魘されていたぞ。悪い夢でも見たのか」
「????」
他の仲間も集まっていて、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「顔色が良くないわ??何か、落ち着く飲み物でも作りましょうか」
「もうすぐ朝を迎えるが、ジュイネは暫く休んでおいた方が良いじゃろう??」
「だな。イシの村の復興は今日くらいオレ達に任せて、お前は休んでろよ」
マルティナ、ロウ、カミュはそう述べ
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