溯る先に失い得るもの
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は、さぞ根深き業を背負っている事だろう」
「───それが何? これ以上ジュイネにぐだぐだ言う奴はあたしが許さない。深淵に消えなさい??《メラガイアー》!!」
忽然と大人姿のベロニカが現れ、ウルノーガに強烈な攻撃呪文を放つ。
「ぐぬあぁ??!? そう、か??“お前”は───」
「??ジュイネ、奴の思念は消えたわ。あんたに刺さってた三本の杖もね」
「????」
両膝をつき、両手もついたまま俯いている。
「いつまでそうしてるつもり? ここは、精神世界に過ぎないの。現実のあんたはウルノーガを倒して意識を失ってる。??みんな、心配してるわよ」
「僕の、本当の、仲間は───」
「あら、今この時間軸に存在しているあたし達は仲間じゃないって言いたいのかしら」
「元の世界の本当の、みんなを??僕は、置き去りにして来た???」
「奴の言っていた事は、大体合ってる。ジュイネが元々居た世界とこの過去の世界が、あんたが時を遡る事によって切り離されたというのも。??だけど完全ではないの、“その可能性もある”ってだけ。そうでなければ奴も、元居た世界の記憶を思い出すわけがないもの」
「過去のみんなは、ほとんど思い出してくれない??そもそも、本当に無かったことになってしまった、から???」
「ウルノーガか思い出したのは、あんたの記憶に直接触れたからだと思う。それは、死の淵にあった奴だからこそ出来た事。仲間のみんなは??ジュイネの記憶に直接は触れられないのよ」
「じゃあ、ベロニカ??今の、君は」
「そうね??あたしはほら、元々居た世界の魂の欠片の残留思念みたいなものよ。腑抜けたあんたに喝を入れる為の、ね」
「はは??やっぱり、ベロニカには敵わないや??。今度は僕が、守ろうとしてたのに??結局、死なせてしまってまで守られっぱなしで」
ぽろぽろと涙を零す。
「何言ってるのよ、ちゃんとあの時守ってくれたじゃない」
「それは??やり直しただけだよ。そこで起こることを、事前に知ってただけに過ぎないんだ」
「ねぇジュイネ??置いて来てしまったものはもう、いくら後悔しても元には戻らないの。だったら、また新たに築いていくしかないじゃない」
「仲間との??みんなとの、絆を」
「そうよ。??何がどうとは言わないけど、厄介な物も過去へ持ち込んでしまったの。そいつをどうにかする為には、勇者としての力だけじゃなく仲間との絆の力も必要になる??ジュイネなら、もう一度築けるはずよ」
「そっか??そうだった。───失ったものは、“ここ”で取り戻すしかないんだ。残してきたみんなには、本当に申し訳ないことをしてしまったけど??みんなならきっと、僕には後悔してほしく
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