分かち合う痛み
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し、あらゆる癒しの呪文をかけ続ける。
「????」
されるがまま、目を閉ざしているジュイネ。
「??やはり、そう簡単にはいきませんわね。闇の呪いをもたらしたウルノーガ自身を倒せば自ずと解けるにしても??それまで胸の痛みに耐えなければならないのは───」
「僕なら、大丈夫。みんなが居てくれるなら、どんなにつらくても頑張れるから」
「ジュイネ、様??」
その微笑が儚くも目を奪われるセーニャ。
「それに、さっきまで疼いてた胸の痛みも引いてきたよ。きっとセーニャのお陰だね、ありがとう」
「そうだと、いいのですが??」
背中にまで及んでいる、黒ずみ変色している皮膚にセーニャは片手でそっと触れる。
「??っ!」
一瞬、ジュイネの身体がビクッと反応を示す。
「やはり??触れられるだけで痛みますか?」
「う、うん??ちょっとだけ」
「????。早く、なるべく早く魔王を倒さなくてはなりませんね」
「そうだね、そうしないと??地上のあらゆる生命が失われてしまうし。だけど、焦って無策で突っ込むわけにもいかないから、今はとにかく勇者の剣を作成出来るようにならないと」
言いながら上半身の衣服を着直すジュイネ。
「衣服の上からなら??痛みませんか?」
「??え?」
セーニャはジュイネの背中に額を寄せ、両の腕を胴に回しぴったりと背後から寄り添う。
「だ、大丈夫、だけど??どうしたの、セーニャ」
「ジュイネ様が抱えられた痛みを、少しでも分かち合えたらと??思うのですが」
セーニャの消え入りそうな声が、背中から伝わるのを感じる。
「そう思ってくれるだけで充分、分かち合ってもらってるよ。ありがとう、セーニャ」
「????。あなたの背中は、お姉様の分まで私がお守り致します。闇の呪いで胸の痛みが強い時は、私が前に出てジュイネ様を守ります」
「頼もしいな??セーニャは強くなったよ、本当に」
「お姉様の、意思を継ぐ為ですもの、強くもなります。??というより、強くあらなければならないのです。ジュイネ様を最後まで、守り通す事こそが私の使命ですから」
「───生き抜いてもらわないと、困るよ。もう誰も??勇者である僕のせいで、亡くなったり傷ついたりしてほしくないから」
「それも、分かっていますわ。??ジュイネ様にはもう、悲しい思いはさせませんから。それに私は??あなたが勇者だから守るのではありません。確かに、始めのうちはそうでした。けれど今は??ジュイネ様だからこそ守りたいのです。仲間の皆様も??このロトゼタシアという世界も、そこに生きる人々だって」
「????」
「
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