分かち合う痛み
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勇者の剣を作成する為に奔走しながらも、とあるキャンプ地で皆思い思いに休息をとっている時の事だった。
「??ジュイネ様、少し宜しいでしょうか?」
「え??何かな、セーニャ」
「皆様からは少々離れた場所へ??お話があるのです。他の皆様にはそう伝えてありますから」
「そう??分かったよ」
「───ここからは月がよく見えて、とても明るいですわね」
「そうだね??」
「ジュイネ様、私に??私達に、何か隠している事がありませんか」
「そんなこと、無いけど」
「私、ジュイネ様と再会してすぐ皆様と聖地ラムダへ向かい、お姉様の事もあって??ジュイネ様の微かな異変に気付けていなかったのです。??断髪し、お姉様の魔力を受け継いだ後に、ジュイネ様の様子に違和感を覚えました」
「????」
「特に、翌日ジュイネ様と二人で勇者の峰へ向かった時??息切れが激しかったのが気にかかったのです」
「セーニャは、山育ちだから山道が得意だって言ってたよね。僕はそうじゃないだけで??気のせい、じゃないかな」
「??誤魔化さないで下さい」
「────」
セーニャが真っ直ぐに真剣な眼差しを向けて来る為、気後れしてしまうジュイネ。
「魔王が誕生し命の大樹が落下したあの日から、ずっと体調が優れない??胸元が、疼くのではないですか」
「大丈夫だよ、だって僕は運良く??いや、違う。───ベロニカが魔王の目を欺く為に、海底王国のある近海に僕を飛ばしてくれたんだと思うけど、そのお陰で女王セレン様に手厚く介抱してもらって回復したから、問題ないよ」
「それは、どれくらいの期間ですか?」
「えっと??半月、くらいかな」
「違いますね。───ウルノーガからあれだけの瀕死のダメージを受けて、半月で回復するとは思えません。例えそれが、海底王国の女王セレン様のお力だとしても」
「───??」
「正直に、お答え下さい」
ジュイネはこれ以上セーニャに誤魔化しは効かないと思い、本当の事を話す。
「数ヶ月??眠り続けてたって、言われたよ。長く苦しんでたとも、言われた。海底王国で介抱されているのを魔王に勘づかれないように、魚の姿に変えられてたみたいだけど」
「やはりそうでしたか??。そして、完全には回復しなかったのですね」
「うん??。セレン様は手を尽くしてくれたそうだけど、胸の部分??勇者の力を奪われる際に、闇の呪いをもたらされたらしくて、それがどうしても解けなくてずっと渦巻いてるって。魚の姿の時はあまり感じなかったんだけど、人間の姿に戻ってからずっと??胸の疼きは続いてる」
「───普通なら、あのように胸元を貫かれ、激
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