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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
利益を求めて
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いる…
その警備員達もプロではなく、町内の有志による者達の様で、装備も棍棒や檜の棒など頼り無い。

「うむ、実は…」



リュカ達は驚愕な事件をタイロン老人から告げられる。
一月前に急遽心変わりをしたエコナは、建設予定だったカジノや酒場など、娯楽施設の建設を一時見合わせて、診療所や学校などの福祉施設の充実を優先させた。
その結果、カジノ等での収益を期待していた連中から、当初の予定通りに進めるようにと脅迫めいた訴えが出され、それを無視したエコナは昨日連中に襲われたと言う…


「…くそ!…なんて事を…」
リュカが呻く様に呟いた。
そして慌ててエコナの元へとかけ出した!

エコナのオフィスに駆け込むと、其処には彼女がデスクに向かい書類の決裁を行っていた。
「リュ、リュカはん…どないしたん?」
思ったほど外傷は酷くない様だが、酷い事をされたのには間違いないらしく、瞳が少し虚ろになっている。

「エコナ…何をされたの?」
リュカはエコナに近付き彼女を抱き締め問い掛ける。
「べ、別に…何も……だ、大丈夫やから…ウチ、大丈夫やで…」
懸命に笑顔を作り無事を伝えるエコナ…
リュカは彼女の瞳を見つめ続け、囁く様に問いかける。

「………レイプされたんだね?」
リュカにだけは知られたくなかった。
命に別状がない以上、リュカにだけは知ってほしくなかったのだ!
だがエコナは、リュカに優しく問いかけられ、嘘を吐く事も出来ず泣き出してしまう。

「うわ〜ん!ウチ…ウチ…ごめんリュカはん!ウチ…もう…リュカはんの…んむっ!」
泣きながらリュカに謝るエコナの口を、キスで塞ぎ言葉を遮る。
「エコナが謝る事じゃないよ。僕は今でもエコナの事が大好きだから…だから謝らないで。悪いのはエコナじゃないのだから…」
リュカの言葉を聞き、リュカの優しさに触れ、エコナは涙が止まらなくなってしまう。
彼の胸に顔を埋め、ただひたすら泣き続ける。
リュカがアルル達に目で合図を送る…
それを見たアルル達は、この部屋にリュカとエコナを残して立ち去った。


アルル達はエコナの屋敷の別室で、タイロン老人等に持て成されている。
と言っても、持て成される側は沈痛な面持ちを崩せないのだが…
「でもエコナさんの命が無事で本当に良かったですね」
雰囲気を明るくしたかったティミーが、極力明るい声で喋り出した。

「ティミー…今、エコナさんを殺す事に意味は無いのよ…むしろマイナス効果しか無いの!」
沈痛な面持ちのまま、ビアンカが息子に話し出す。
「この町の発展の窓口は、彼女が担っているの…彼女の一言で、お金や物資を動かす事が出来るのよ…でも彼女が死んでしまったら、この町を発展させるリーダーが居なくなり、其処から生まれる利益を吸う事
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