闇と太陽と月の影◆◇二つの紋章
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『───いいですかジュイネ、貴方がウルノーガに貫かれたその胸には、禍々しい闇の呪いが渦巻いています。私の癒しの力を持ってしても解けなかった??。この先、幾度となくその呪いに苦しめられる事でしょう。魔王となったウルノーガさえ倒せば自ずと解けるはずですが??』
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(はぁ、はぁ??。最後の砦って言われてる場所を、僕を釣り上げてくれた人に教えてもらったけど??もしかして、イシの村跡に出来たのかな。場所からしてそんな気がする??)
(ずっと魚になって眠ってて、人間に戻ったばかりだからかな??なるべく魔物との戦闘は避けてるけど、すごく疲れやすい??。胸の傷痕も疼くし??これが、ウルノーガにもたらされた闇の呪いの影響かな??勇者の力も、失ったし)
(最後の砦まで、もう少しのはずなんだけど??辿り着けるの、かな??)
「───おい、そこの人間!」
(えっ??? しまった、背後に迫る魔物の気配に気づくのが遅れた)
すぐに振り返り剣を構える。
「なんだぁ? ガキか、ひ弱そうだなぁ。そんなんじゃすぐに殺しちまうぜぇ?」
(ゾンビ系が数体??異変後の世界で強化されてるはずだ。今の僕に、倒しきれるんだろうか??。とにかく、やるしかない)
「ケケケ、せいぜい遊び殺してやるかぁ。最後の砦も近いウチにゾンビ師団長殿が襲撃する予定だからなぁ??それまでの肩慣らしだぜぇ!!」
「くっ??!」
「───魔物共め、貴様らの相手はこの俺だッ!!」
「??え?」
黒馬と共に颯爽と現れた勇ましい男性は、馬上から大剣で次々と魔物達を薙ぎ払い倒した。
「最後の砦の事を聞き付け、たった一人ここまで来たのか? なら安心してくれ、最後の砦はもうすぐそこだ??む?」
「????」
驚きの表情で馬上の男性を見上げるジュイネ。
「なんと??お前は」
屈強な男性は黒馬からすぐに降り、相手をよく見ようと近寄る。
「───生きて、いたのか。あの状況で??」
(グレイグ、将軍??。いつもの黒鎧を装備してない、軽装備姿だ)
「あなたの方、こそ??よく無事でしたね」
「????。ひとまずすぐそこの最後の砦に入ろう。外にいるといつ魔物共に襲われるか判らんからな」
「??はい」
「少し、ふらついているように見えるが??大丈夫か? ここまで来るのに相当消耗したのではあるまいな。私の愛馬のリタリフォンに、乗るといい」
「え、でも??」
「遠慮するな。普段なら私以外乗せないのだが、私が先導する形ならリタリフォンは乗せてくれる」
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