闇と太陽と月の影◆◇二つの紋章
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始するグレイグとジュイネ。
「何と酷い有り様だ??荘厳だったデルカダール城が、このように魔物が徘徊し荒廃してしまうとは」
「グレイグ??」
「いや、悲観している場合ではないな。今は最後の砦として人々が肩を寄せ合っているにしても、お前の故郷も??このようになってしまったのだ。常闇の魔物を倒してこの地方の太陽を取り戻さなければ、人々の精神状態は蝕まれていくばかりだ。俺とお前なら、この状況を打破出来るだろう」
「??うん」
「───むぅ、崩れた大量の瓦礫で阻まれ玉座の間へは直接行けそうにないな。回り道をするしか??しかし他に道は」
「ちょっと待ってグレイグ。??城のホールの左側から、何か感じるんだけど」
「そっちは??小さな中庭がある場所だ。特に何かあるという訳ではないはずだが」
「うーん??でも何か気になるんだ。行ってみてもいいかな」
「お前がそこまで言うなら、行ってみるとしようか」
「??木の幹に、大樹の根が絡まってる。しかも微かに光って??」
「成人になってから俺は余りここには来ていないが??大樹の根が絡まっている木があったのだな。??それをじっと見つめて、どうしたジュイネ?」
「その??自分で言うのは何だけど勇者は命の大樹に愛されてるらしくて、大樹の根を通じて記憶を辿ることが出来るんだ。でも、今の僕は勇者の力を失ってるし??」
「命の大樹は枯れ果て落下してしまったというのに、こうして大樹の根はまだ枯れていない辺り相当な生命力だな??。そして勇者は、大樹の根を通じ記憶を辿れるとは??」
「勇者の力を失った割に、僕の左手の甲のアザ??完全には消えてないんだよ、薄まってはいるけど。もしかして??使えるかもしれない」
ジュイネは一か八か、大樹の根に手を翳してみる。??するとアザと身体がほのかに光り出し、それに呼応して大樹の根がグレイグに忘れていた幼い頃の記憶を呼び覚ます。
「───そうだ、食料庫! そこにある棚を動かすと王の私室に通じる階段が現れるのだ。そこから玉座の間に回り込めるかもしれん」
「??グレイグにも、子供時代がちゃんとあったんだね。何だか微笑ましかった」
「!? お前にも見えていたのか??いや、それもそうか。というよりその言い方だとまるで俺には子供時代が無かったかのようだな」
「だ、だって僕にとっては屈強なグレイグしか知らないから??」
「フフ、そうだろうな。??それにしても、懐かしかったな。あの当時は、本当に楽しかった。それが、何故───いや、考えるのは後だ。食料庫へ行こう、そこへの道は閉ざされていなかったはずだ」
「(グレイグとホメロス??幼
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