闇と太陽と月の影◆◇二つの紋章
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??俺一人で倒す。お前は最後の砦で安静にしていてくれ」
背中のインナーを下ろし、片手でそっとジュイネの背に触れるグレイグ。
「ダメだよ、王には報告しないで。城への潜入も常闇の魔物を倒すのも、グレイグ一人にさせないよ」
「??こんな身体でお前を闘わせる訳にはいかぬ」
「勇者とは??最後まで決して諦めない者のこと」
「?????」
「海底王国の女王様に言われた言葉だよ。??正直僕自身、未だに勇者とは思ってないけど、諦めるわけにはいかないから。僕を匿って、僕に希望を託してくれた海底王国の為にも??命の大樹を崩壊させ魔王を誕生させてしまった罪を償う為にも、何があっても僕は??勇者として立たなきゃならないんだ」
グレイグに振り向いたその眼差しは、真剣だった。
「それが??お前の覚悟だと言うのか」
「うん」
「───??ふぅ、ならば俺も覚悟を決めよう。勇者を??ジュイネを守る盾として、共に闘う事を」
「ありがとう、グレイグ??」
ふと安堵したように目を閉じ、グレイグに身体を預け眠りに落ちるジュイネ。
「(罪と責任を共に背負い、守ってみせよう。希望の勇者??ジュイネを)」
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「ジュイネ、ジュイネ??そろそろ起きれるか?」
「ん??ぁ、ごめんグレイグ??僕、もしかして寝過ごした???」
「そうでもないが??起こさなければ起きないのではと思ってな」
「うん??起こされないと、ずっと寝てたかもしれない??。けどよかった、グレイグが一人で先に行ってなくて、ちゃんと僕を起こしてくれて」
「(本当は安静に寝かせておきたい所だったが??あのような覚悟を聴かされたとあってはそうもいくまい。例え俺一人で常闇の魔物を倒しに向かっても、途中何か察して起きたジュイネはきっと俺を追って来るだろうしな??。だったら常に傍に居た方がいいというものだ)」
「??どうしたの?」
「いや、何でもない。夜ばかり続いて時間の感覚を失ってしまうが??とにかく、支度を整えデルカダール城裏手の崖を目指すとしよう」
見送りは禁じられている為に、グレイグとジュイネはひっそりと二人だけで最後の砦を出てデルカダール城に巣食う常闇の魔物を倒す為、まずは裏手の崖へと向かう。
「??俺が先に少しずつ崖を登りながら、お前に手を貸し引き上げようと思う。その方がお前の負担も少ないはずだ」
「うん、ありがとうグレイグ」
崖を登った先に洞窟があり、そこを進んで行くと城の地下水道に通じる扉があって、デルカダール王から預かった鍵を使って城への潜入を開
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