闇と太陽と月の影◆◇二つの紋章
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の力を注がれたのを見ている事しか出来ず、あの状況を目にした時は流石に死んでしまったと思った??勇者の力の源が、まるでお前の魂に見えて、それをウルノーガが握り潰したのだからな??」
「あの直後は??まだぎりぎり意識はあったんだよ。自分でも、もうダメだと思ったし??。言葉に出来ないくらいの、苦しみだったから。あれくらい弱らせないと、勇者の力を引き抜けなかったんじゃないかな」
「そう、だろうな??。ならばやはり、後遺症にも苦しめられているはずだろう。数ヶ月に渡って眠り、海底王国という場所で介抱されようとも、完全には治っていないのではないのか?」
「平気だってば、砦を守る時の闘いもしっかりやってのけたでしょ。グレイグ?には、助けてもらったけど??」
「───胸元を見せてみろ」
「え?」
「平気だという、証拠を見せてくれ」
「それは??」
「見せられぬ程に、悪いのか」
「そういう、ことじゃなくて??見せる箇所がそもそも」
「───悪く思うな」
「え??ちょっと、待って??グレイグ??っ!?」
問答無用でグレイグはジュイネに迫り、強制的に上着を脱がせてインナーに手を掛け、当のジュイネは力強いグレイグに抵抗しきれずされるがままになり、ぎゅっと目を瞑る。
「????っ」
「すまんな、??見せてもらうぞ」
インナーを胸元まで上げ、幾つか蝋燭の灯る淡い明かりの中少しの間ジュイネの胸元を見つめた後、グレイグは一瞬言葉を失いすぐにインナーを下げる。
「お前??、やはり平気な訳が無いだろう??! 胸元が、痛々しい程にどす黒く変色しているじゃないかッ」
「───??」
「まさか、背中までそうなっているんじゃないだろうな??」
「??見たい、の?」
目を逸らしたまま言うジュイネ。
「確かめたい、とは思うが??」
「いいよ。??じゃあ、背中も確かめて見て」
「????」
グレイグがそっと背中のインナーを捲ると、か細い背中の上部も同様にどす黒く変色していた。
「(ホメロスからも背中に闇の一撃を加えられ倒れたようだったから、そのせいもあるのでは??)」
「海底王国の女王様に、言われたよ。『貴方がウルノーガに貫かれたその胸には、禍々しい闇の呪いが渦巻いています。私の癒しの力を持ってしても解けなかった。この先、幾度となくその呪いに苦しめられる事でしょう。魔王となったウルノーガさえ倒せば自ずと解けるはずですが??』って」
「やはり??そうだったのか。───この事を我が王に報告し、魔物の巣窟と化したデルカダール城へは俺一人で行こう。常闇の魔物も
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