闇と太陽と月の影◆◇二つの紋章
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がほとんどなのだ」
「そう、なんですね??。母さんに会ったら、すぐに行きます」
「あぁ??頼む」
愛する息子が生きていた事に涙する母と再会を果たしたジュイネは、今度はデルカダール王に会うべく王の居るテントを訪れる。
「───そうか、そなたが??今は亡きユグノア王国の王子であり、勇者の紋章を携え生まれたジュイネ、なのだな??。わしにとっては、16年前の赤子だったそなたしか覚えておらぬ訳だが」
「????」
「わしはウルノーガに取り憑かれている間の事は何一つ、覚えておらぬのだ。??しかしその間どのように振舞っていたかはグレイグや他の兵から聴いておる。謝って済む問題ではないが本当に、申し訳ない事をした??」
「頭を、上げて下さい。起きてしまったことは変えられませんけど、今はとにかく??ご自身が回復することを優先して下さい」
「───ひとつ、聴かせてほしいのだが??生きていた我が娘がそなた達の旅に同行していたそうだが、マルティナはどうしているのだろうか???」
「すみません、命の大樹の崩壊の中、マルティナが??他の仲間もどうなったか分からないんです」
「そう、か??致し方ないやもしれん。わしとグレイグはデルカコスタ地方の海岸に流れ着いておったらしくてな、そなたはこの数ヶ月??どうしておったのだ?」
「海底王国ムウレアという場所で、介抱されていました。??相当ボロボロだったらしくて、人魚の女王の力を持ってしても数ヶ月は意識が戻らなかったそうです。勇者の力も??失ってしまいました」
「(??やはり瀕死の状態だったのか、無理もない??ウルノーガからの不意打ちで倒れ、意識はあったが動けなくなった俺があの時記憶している限りでは、彼はウルノーガに胸部を貫かれ相当な闇の衝撃を加えられ、勇者の力を容赦なく引き抜かれてぐったりと倒れ込む姿だった)」
グレイグはジュイネを案じた様子で見つめ、デルカダール王は核心を突いてくる。
「ふむ??ではそなたは、言っては何だが勇者として闘えなくなったという事か?」
「確かに、そういう意味では闘えなくなったのかもしれません??だけど、僕個人としてはまだ剣を持って闘えます」
「そうか??ならばそなたに、頼みたい事がある。??良いか?」
「もちろんです」
「グレイグよ、そなたの見立てでは近い内に魔物共が砦を襲撃する動きを見せておると言っていたな」
「はい??。王よ、彼もそれを迎え撃つ兵として闘わせるおつもりですか?」
「うむ??まだ闘えるというならそれを証明してほしいのだ。その後で、本題に入らせてもらいたい」
「しかし??彼はまだ、完全には回復していな
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