時の渦に呑まれし者:後編
[10/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「そして、僕の願いも届くなら、もう一度───」
「????」
「ううん、何でもない。??テオおじいちゃん、赤ん坊の僕をお願い。しばらく、目覚めないかもしれないけど??僕のここでの役目をすぐ終わらせたら必ず紋章をこの子に返すから」
「うむ??頑張るのじゃぞ。無理はせんでな」
「??すぐにデルカダール城に戻るか?」
「その前に、命の大樹の魂のある場所へ行って??勇者の剣を授かってこないと」
「そのような事が、可能なのか??!?」
「僕は元々16年後の未来から来た存在だし、過去の赤ん坊の僕から借りた勇者のチカラでも命の大樹はその魂に内包した勇者の剣を授けてくれると思う。??だって、ウルノーガが僕から奪った勇者のチカラを大樹の魂に翳したら簡単に勇者の剣を譲り渡しちゃってたし」
「何と??」
「───生まれた時から勇者の紋章を携えてたかどうかなんて問題じゃなかったんだ、それをウルノーガは何故か知っていたから勇者の剣と大樹の魂を奪う為に勇者のチカラを一時的にも必要としたんだよ。ウルノーガはあくまで魔王になりたかったみたいだから、勇者の剣を手にした途端勇者のチカラを握り潰して剣を魔王の剣に変え、大樹の魂を奪い魔王として誕生した」
「??16年後の未来に、そんな事が起きていたとは」
「だからこそ、それを起こさせない為にこっちが先に勇者の剣を手にして、魔王じゃない魔道士のままのウルノーガを討つんだ」
「そうすれば俺とお前と??我が友ホメロスで16年後の未来を守れるのだな」
「うん??本当は、魔王が誕生した異変後の世界で僕とグレイグは、かけがえのない絆を得たんだけど??それを、無かったことにしてしまうのは僕の本意じゃない。そんな迷いを抱えながら時を遡るのを決断してしまったから、意図せず16年前に来てしまったんだと思う」
「俺とお前は??魔王誕生後の世界でなければ、かけがえのない絆を得られなかったというのか」
「分からない。??でも16年前のグレイグは今こうして僕にチカラを貸してくれている。元の世界から切り離されて16年前のこの過去の世界で消えるしかなかった僕を生かす為に、自分の生き血を分け与え続けようとしてくれる。魔王誕生に関係なく??僕らは絆を得られてると思うよ。グレイグの、唯一無二の友達の??ホメロスには、敵わないだろうけど」
「比べる必要はあるまい、俺にとってはどちらも必要な存在だ」
「そうだと、いいけど。??用が済んだら勇者の剣は、赤ん坊に紋章を返す前に命の大樹に戻しておかないとね」
───本来、命の大樹への道は六つのオーブが無ければ開かれないが未来から来ているジュイネにとって
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ