時の渦に呑まれし者:後編
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??? そのような事が、可能なのか?」
「分からないけど、試してみる価値はあると思う??。早速、神の岩を下りて赤ん坊の僕に聞いてみる!」
「あ、赤ん坊に聞いて答えてくれるものか???? 待てジュイネ、そんなに急ぐな??!」
下山を急いだが故にジュイネの消耗が激しく、存在が消えかけてしまった所でまたグレイグの生き血を分け与えてもらい、生気が宿ると再び急ぎ足で赤ん坊の自分の元へと向かう。
「おや、どうしたんだい旅人さん達。神の岩に行ってたんじゃないのかい?」
「お母さっ??じゃなくてペルラさん、赤ん坊は───」
「あははっ、何だい、うちの可愛いジュイネに会いたくて早く下山しちまったのかい? しょうがないねぇ??ジュイネならテオおじいさんがイシの大滝であやしてる所だよ」
「───おじいちゃん!」
「おぉ、ジュイネや??そんなに慌ててどうしたんじゃい?」
「赤ん坊の、僕を??また抱かせてくれないかな」
「もちろん構わんぞい、??ほれ」
「あー、ぁー」
「えっと、君の左手の紋章??僕に、貸してくれないかな。ちゃんと、後で返すから」
「ぅー?」
「(やはりそう上手く行くものでは??)」
グレイグは期待していなかったがジュイネは諦めておらず、赤ん坊の自分を右腕に抱き左手を赤ん坊の顔近くに翳す。??すると赤ん坊は左手の人差し指を小さな手で掴み、眩い光に互いが包まれたかと思うと赤ん坊のジュイネの小さな左手の甲から勇者の紋章は消え、代わりに青年側のジュイネの左手の甲に紋章が現れる。
「───ありがとう、このチカラで早めにウルノーガの野望を阻止しておくからね」
ジュイネは赤ん坊の自分に子守歌を静かに口ずさみ、赤ん坊はすやすやと深い眠りに落ちた。
「その歌は───」
「ユグノアの子守歌、だよ。??16年後に会うことの出来た、実の祖父から教えてもらったんだ」
「そうか??聴いていると、俺まで眠ってしまいそうだったが??。所で大丈夫なのか、身体の方は」
「うん、赤ん坊の僕から勇者の紋章を借りたお陰でチカラがみなぎるのを感じるよ。これなら元の勇者のチカラも使えそうだ。それに??グレイグから血をもらう必要も無くなったよ」
「そうなのか??それはそれで、寂しい気もするが」
「え?」
「いや、何でもない」
「なる程のう、赤ん坊の自分から勇者の紋章を借り受けるとは??。それで、やる事は決まったのじゃろう?」
「うん??将来魔王として誕生するウルノーガを今のうちに倒すんだ。グレイグの友達も、闇に染まらずに済む」
「????」
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