時の渦に呑まれし者:後編
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んならそれでも構わないけど」
「互いに抱き枕だと思えば、何とかならないか?」
「ふふ??何それ。グレイグが僕の抱き枕で、僕がグレイグの抱き枕になるってこと?」
「笑い事ではない、俺はこれでも真剣なのだ」
「ご、ごめん??。分かった、そうするよ」
「??ほら、来い」
自分の布団の中に入るようにジュイネを手招くグレイグ。
「え、今から???」
「それはそうだろう、まだ夜中なのだしまたすぐ俺の血が必要にならんとも限らないだろう」
「ついさっきグレイグの血を飲ませてもらったから、大丈夫だと思うけど??」
「??????」
「分かりました、朝まで一緒に寝ます」
グレイグの無言の圧力にジュイネは根負けした。
───翌日、ジュイネはふと思い立ち神の岩に登る事をグレイグに提案する。
「あの岩山に登るのか??? 俺は構わんが、今のお前には負担が大き過ぎるのではないか?」
「うーん??確かに狭い箇所を通ったり、よじ登らなきゃならない所もあるけど、大地の精霊が宿るっていう神の岩の頂上の絶景を見れば、何かいい考えが浮かぶんじゃないかって」
「そうか??岩山を登る際はなるべく俺が手を貸そう、消耗が激しかったら遠慮なく俺の血を頼るのだぞ」
「うん、分かった??」
途中グレイグの生き血を分け与えてもらいつつ、二人は神の岩の頂上に辿り着く。
「ほう、確かに絶景だな??空気もとても澄んでいる」
一度大きく息を吸い込み深呼吸するグレイグ。
「????」
「どうしたジュイネ、先程から黙って??具合が悪いのではあるまいな?」
「あ??違うよ、大丈夫。ちょっと、思い出したことがあって」
「何をだ?」
「うん??僕が元々居た世界では、魔王を誕生させてしまったって話したよね。その世界の異変後に??グレイグと、神の岩の麓で話した時??『お前達が祭る大地の精霊は、俺のような戦いしか知らぬ男の願いも聞き届けてくれるのか?』って、言ってきた事があって」
「16年後の俺が、そのような事を???」
「『もしも、願いが届くのなら??』って、苦しげな表情しててその後の言葉は聞けなかったんだけど、もしかしなくても───」
「????」
「そうだ、紋章??!」
急にハッとした声を上げるジュイネに、物思いにふけっていたグレイグは驚く。
「な、何事だ??紋章がどうしたのだ?」
「赤ん坊の僕の勇者の紋章を、借りられないかな??そうすれば、大きな助けになるはずなんだけど」
「赤ん坊のお前から、勇者の紋章を借りるだと
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