時の渦に呑まれし者:後編
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んは結構現実主義だし、成長した僕が未来から来たって言っても信じてくれないんじゃ??」
「うむ??ペルラは頑固な所があるからのう。赤ん坊のジュイネしか認めんじゃろうなぁ。??わしが出逢って意気投合した旅人の二人を、暫く居候させるというのはどうじゃろう」
「名前??違くした方がいいよね」
「ならばデルカダールに居た時に使っていた、エルジュの名にすれば良いのではないか?」
「そうしようかな??ちょっと複雑だけど」
「家の二階の物置き場を片付ければ、お前さん達二人が十分眠れるスペースはとれるじゃろう」
「ジュイネの家を暫く拠点にしつつ、元凶を討つ確たる力を探さんとな??」
「うん??」
「お前さん達は、何か大きな使命を背負っておるようじゃのう。そもそもジュイネは紋章を携えた勇者の生まれ変わりであり、滅んでしまったユグノアの王子なのじゃからなぁ」
「エレノア王妃の??僕の本当の母さんが遺した手紙の内容を知ってるんだよね」
「うむ??16の成人を迎えたら、勇者として旅立たせねばならんと思っとったが??」
「僕が16年後の未来から来てしまった理由は、聞かないの???」
「意図せずして来てしまったのは、解るつもりじゃよ。もしお前が一度だけ自由に過去へ戻れるとしたら、ユグノア王国が滅ぼされる前に阻止するはずじゃからな??」
「???自由には選べなかったよ。元の時間軸から近い過去にしか戻れなくて、16年以上前までは無理だったんだ。なのに、僕は一年近く前の過去に戻れずに失敗して、それ所かユグノアが滅んだ直後に来てしまったから??。勇者としての失敗を無かったことにしようとした報いかな、左手の甲の紋章も失ったし??」
自嘲気味に述べるジュイネ。
「ジュイネや、今は深く考え過ぎん方が良い??。ほれ、赤ん坊のジュイネも今はすやすや眠っておるし、お前も自分の家でゆっくり休むと良いぞい」
「自分の家っていっても本来は赤ん坊のこの子の家だし、過去を遡るのを失敗した溢れ者の僕なんかの家じゃ??」
「深く考え過ぎるなと、先程テオ殿に言われたろうジュイネ。??ほら、赤ん坊のお前の寝顔を見ろ。なんと、安らかな事か」
グレイグの逞しい腕の中で安心しきって眠る赤ん坊の自分を見て、ジュイネは微笑ましく思うと共に決意を新たにする。
「ふふ??そうだね。今はこの子の??僕の家に、帰ろう。未来の僕を知らなくても、母さんであることに変わりないから??ペルラ母さんの待つ家に帰ろう(この子と、グレイグ達の未来を守る為に)」
ペルラは当初、テオが連れて来た二人の旅人を訝しんでいたが、赤ん坊のジュイネが二
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