時の渦に呑まれし者:後編
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取り憑いているウルノーガなる者を倒せるとは到底思っていない」
「お前はまた何を言うのだホメロス、お前の知略と俺の力を持ってすれば容易いだろう?」
「ふぅ??グレイグ、お前はやはり単細胞だな」
「何だとッ」
「ジュイネ、お前も本当はそう思っているのだろう」
「????。いくら猛将グレイグと知略のホメロスと言われていても、そう簡単にウルノーガを討てないと思う」
「だろうな??特にグレイグは、化け物じみた力強さと体力はあっても如何せん頭が回らん。その点オレは知略はあってもグレイグ程の力量はない。だからこそ補い合えるとは言っても、諸悪の根源を相手にするには諸々足らんのだ」
「そうか、仲間が必要と言うなら兵を集め??」
「そんな事をしようものなら、すぐにバレて王国や城はユグノアの二の舞になるだろうな。隙を窺うにも、グレイグは態度に出やすい奴だからすぐ気取られるだろう」
「ならどうしろと言うのだ??!」
「───??ジュイネを連れて、今すぐデルカダール王国から出て行け、グレイグ」
「なッ、何故そうなる???! ホメロス、お前はどうするつもりだッ」
「ウルノーガに取り入るつもりだね??もちろん、わざと」
ホメロスの考えに察しがつくジュイネ。
「そうだ、表向きは悪魔の子のもたらす悪影響が伝染し錯乱を起こし逃げ出した事になるお前達は、追われる羽目になるだろうがそれは問題ではない。??闇に抗いつつ、時が満ちるまでオレがウルノーガをこの城にとどめておこう」
「しかしホメロス、それではお前が??」
「ジュイネの元々の世界でのオレは己の闇に屈し、ウルノーガの闇の力に魅入られたようだがこのオレは違う。??それを証明してみせる。信じてくれるか、ジュイネ??グレイグ、我が友よ」
「??! あぁ、信じよう我が友、ホメロス」
「???、僕も信じてる。今のホメロスならウルノーガのもたらす闇に屈しないって」
「オレも信じて待つとしよう。お前達が、ウルノーガを討てる確たる力を持って戻る事を」
??城から出る際は部屋の窓から縄梯子を下ろし、その後城下町の下層を目指し裏手から出る。グレイグは背も高く体格故に目立つ為、忍んで城下町へ行く時はいつもしている荒くれ者のマスクをして行く事に。ジュイネはかつてしていた黒頭巾を被り二人はホメロスの手引きで夜闇に紛れ、デルカダール王国を脱出した。
「ふぅ??無事に国を出られたはいいが、この先どこへ向かえば良いのだ??? ホメロスはそこまでは言ってなかったが」
荒くれ者のマスクを外し、一息つくグレイグ。ジュイネも黒頭巾を外した。
「僕の育った村??正
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