時の渦に呑まれし者:前編
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イグの、記憶が??いや、そんなはず───)
「??ほら、タオルだ。これで頭や身体を拭くといい」
「ありがとう、ございます??」
「お前??大分疲れた顔をしているな。病み上がりで雨の中修行させたせいだろうか」
「そんなことは??」
「もう休んだ方がいい、俺のベッドを使っても構わん」
「それは、さすがに??床に毛布を敷いて、寝ますから」
「床だと冷えるだろう。??ベッドをもう一つ部屋に入れてもらうか。少し待っていろ」
グレイグ将軍の部屋に、使用人数人によってもう一つベッドが運び込まれた。
(監視対象のはずなのに??こんなに優遇されていいのかな)
「俺は報告書など書かねばならんからまだ休まないが、俺に構わず先にベッドで休むといいぞ」
「あの??」
「何だ?」
「悪魔の子がもたらすっていう、変貌とか凶暴化とか??僕にその兆候が見られたら、グレイグ??将軍は、僕をすぐに斬り捨てますか?」
「??場合によっては、な」
「????。じゃあ、その??先に休ませてもらいます」
「あぁ??お休み」
──────────
───────
「すぅ??すぅ??」
「(よく、眠っているな。やはり病み上がりに修行はキツかったか。??俺も、そろそろ寝るとしよう)」
──────────
────────
──────
「??起きて、下さいよ。グレイグ将軍」
「????」
頭上近くから聴こえる、微かに震えた声に目を開けるグレイグ。??いつの間にかエルジュがグレイグの上に馬乗りの状態にあり、その両手には剣の柄を逆手に刃の切っ先をグレイグの喉元に突き立てている。
「とっくに、この状況に気づいてたはずですよね??将軍ともあろう貴方なら」
「??そうでもないな。全くと言っていいほど、殺気は感じなかったぞ」
動じる様子ひとつ見せないグレイグ。
「嘘だ、僕は??貴方を、殺すつもりで───」
「ならばお前は??、こうして欲しかったのか?」
「???っ!?」
力任せにジュイネから剣を引き離して放り投げ、次の瞬間には素早く身体を起こしてジュイネを逆にベッドに押し倒し馬乗りする形で両手首をも掴みとり身動きを取れなくする。
「───悪魔の子の影響を受けた振りをして、俺に返り討ちにされ殺されたかったとでも言うつもりかッ?」
「そう、だよ??。僕は貴方に、殺してほしかったんだ。なのに、どうして馬乗りになって剣を向けたことを気づかない振りなんか」
「さっきも言ったろう、全く
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