時の渦に呑まれし者:前編
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か?」
「??はい」
「ほう、その痩躯でよく扱えるものだな」
「????」
「いや、すまん。人は見かけによらぬものだ」
グレイグは自室にある武器庫から兵士の剣を取り出した。
「大剣に関してはまた今度にするとして、まずは基本の兵士の剣を使ってくれ」
「分かりました??」
手渡された剣を受け取り背に装備するジュイネ。
「俺は大剣や斧も得意としているが??病み上がりのお前とは同等の兵士の剣にしておくか」
「グレイグ、将軍は??大剣を使って僕に修行をつけて下さい。病み上がりだからと気を遣う必要はないですから」
「む、そうか??ならばそうするか。───城のバルコニーに出よう。そこはかなり広くて、二人だけの修行にはもってこいだからな。友のホメロスとよく手合わせしていた場所でもある。??最近は、何故だか断られる事が増えたがな」
グレイグとジュイネは先に食堂に行って腹に軽く食べ物を入れてから、共にデルカダール城のバルコニーへ向かった。
「ぬ??? いつの間にか外は雨になっていたか。まぁ、弱い雨くらい大した事はないな」
(雨??か。そういえば、ユグノア城跡でグレイグに追い詰められた時も雨が降ってたっけ)
「───では、始めるとしよう。どこからでも掛かって来い、エルジュ」
「????!」
ジュイネは剣で果敢に攻め、大剣で受け止めるグレイグを何度も下がらせるほどだった。
「??新米兵士とは思えぬほどの剣さばきだな、誰に教わった?」
「ほとんど我流だけど??始めは育てのおじいさんに遊び程度に習ってました」
「お前は??ユグノア王国の出身ではあるが、元々孤児だったのか?」
「そう、なりますね」
「なる程??。とにかくそこまでの腕前なら、俺も少しは本気を出すとするかッ??!」
「???!」
受け身を取っていた先程までと違い、気迫の込もった重い一撃一撃をジュイネに打ち込むグレイグ。
「くっ??!」
「ぬんッ!」
「あ───」
ジュイネの剣が勢いよく弾け飛び、その反動で後方に倒れ込んだジュイネへ向けグレイグは大剣を構えたまま更に踏み込もうとする。
「───??」
その動きが、ピタリと止まる。
「?????」
「俺と、お前は??前に、どこかで───」
(え??)
「ふぅ??ここまでにしておこう、雨も強くなって来たしな。部屋に戻るぞ、エルジュ」
グレイグは大剣を納め、ジュイネに手を差し伸べ立たせてから先にバルコニーから出て行った。
(僕が居た元の世界のグレ
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