時の渦に呑まれし者:前編
[5/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
(何だよそれ??まるで伝染病扱いじゃないか)
「王よ??彼の処遇を全て私にお任せして下さらないでしょうか」
「??何故だ?」
「悪魔の子の影響が出て変貌したならば、すぐに対処致します。万一、デルカダール王国に危害が加わるような事になれば??私は責任を取り自害する覚悟にございます」
(本当に、そんな進言を)
「お前がそこまで入れ込むのは??やはり自らと同じような境遇だからか?」
「??はい」
「ふむ??まぁ良いだろう。悪魔の子の影響が無いと最終的に判断するのはわしだが、それまで責任を持って監視対象とするが良い」
「御意」
(悪魔の子の影響って??、要するに逆らわなければいいってことかな。逆に凶暴化した振りをすれば、グレイグに殺してもらえるってこと??? 時を遡るのを失敗して、もう勇者としての力も失った僕がここに居る意味なんて───)
玉座の間を後にするグレイグとジュイネ。
「さて??まずは俺の部屋に来てもらおうか」
(とりあえず??今は大人しく付いて行くしか)
「む???」
グレイグは立ち止まり城の広い通路をキョロキョロと見回している。
「どうし??たんですか?」
「将軍になって新しい部屋を宛てがわれたのだが??何分まだ慣れていないものだから、部屋の場所を忘れてしまった??」
「ぷっ、ふふ??っ」
悪気はないが、つい笑いがこみ上げてくるジュイネ。
「わッ、笑うな??!」
「す、すみません??っ(真面目だけど、どこか抜けてるのがグレイグらしいな??)」
グレイグは近くに居た使用人に声を掛け、将軍となった自分の部屋がどこか教えてもらい、何とか見つけ出してエルジュと共に部屋に入る。
「むう??、やはり一人で使用するには広過ぎるくらいだな」
「将軍の地位なんだし、これくらいは普通なんじゃ??」
「まぁ、これからお前と寝起きするには丁度良いか」
「え?」
「本来ならお前のような新米兵士は兵舎で寝起きするものだが、お前は俺にとって監視対象に他ならない。傍に置いておくのは普通だろう」
「そう、ですね??」
「お前は病み上がりでもあるし、修行は明日以降にしておくか」
「いえ??今日からでも、大丈夫です」
「本当か? 故郷を失ったショックからまだ立ち直れていないだろう」
「修行をしていた方が??多分気が紛れます」
「そうか??ならば軽めのメニューをこなしてもらうか。エルジュ、お前の得意な武器は何だ?」
「剣全般は、大体??」
「大剣も扱えるの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ