時の渦に呑まれし者:前編
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いているウルノーガがもたらす闇の力に魅入られ始めてる??? それとも、本来なら居ないはずの僕がこの時間軸に存在することでどこかが狂い出してるんじゃ)
「??悪魔の子の影響力が無いと証明出来れば、実験体としての意味を失うだろう。ならばこそエルジュ、お前は俺の元で修行を積んでもらう」
「???え?」
「グレイグ、またお前は勝手な事を??デルカダール王がお許しになるとでも?」
「俺は??、ユグノア王国の件で将軍の地位に就いた。遅れて到着したとはいえ、魔物共は殆ど一掃したからな。───デルカダール王に直接進言して来る、エルジュを俺に??私に全面的にお任せしてほしいと。その上で悪魔の子の影響が出てしまったら、その責任は私にあり自害する覚悟だとお伝えして来よう」
(グレイ、グ???)
「何故そいつにそこまで??。自分に似た境遇だからという同情か?」
「それも無論ある。??放ってはおけない」
「フン??勝手にしろ、オレは知らんぞ」
呆れた様子で部屋を出て行くホメロス。
「───エルジュ、俺と共に玉座の間まで来てくれ」
「え、でも??」
「大丈夫だ、俺が付いている。??決して、悪いようにはしない」
(何だろう??とても心強い。まるで、魔物の巣窟と化したデルカダール城に二人だけで潜入した時みたいだ。今僕の目の前に居るグレイグは、二十歳くらいの時みたいだけど??16年後のグレイグとほぼ気質は変わらない気がする。だけど??やっぱり僕の知らないグレイグなんだ)
グレイグと共にジュイネは、デルカダール王の居る玉座の間へと向かう。
「??魔物の手によって滅ぼされたユグノア王国の生き残りの者が意識を取り戻した為、連れて参りました。名を、エルジュと申します」
「ほう??そなたがその生き残りか」
(何だか怖くて、顔を上げられない。情けないな??仲間のみんなと居た時は恐怖なんてそんなに感じたことなかったはずなのに。どれだけ仲間の存在が心強かったか??失ってみて身に染みて分かるなんて。仲間とはぐれた時も、ベロニカが死んでしまったと分かった時も、そうだった)
跪き俯いたままジュイネはデルカダール王に成りすましているウルノーガに顔を向ける事が出来ない。
「どうしたのだ、よく顔を見せてみよ」
「王よ、彼は未だ祖国を失ったショックから立ち直れておりません。??ホメロスから聞きましたが、彼を悪魔の子の影響力を調べる実験体とするそうですがそれは真にございますか」
「わしはアーウィン王の変貌を目の当たりにしたからな??。ユグノア王国の者ならば、誰しも少なからず悪魔の子の影響を受けていると踏んでおる」
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