悲劇と悪夢と
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
(あぁ??ダメだ、そんなこと言ったら)」
デルカダール王に取り憑いたウルノーガはアーウィンの言葉を聞いた直後豹変し鎧をも貫く闇を纏った刃でアーウィンを深く突き刺し致命傷を負わせ亡き者とする。
「(こんな、最期を───)」
『デルカダール王??! 到着が遅れ、申し訳ございませんッ』
デルカダール王の傍に倒れているアーウィン王を目にした16年前のグレイグは動揺するも、ウルノーガが取り憑いているデルカダール王にユグノア王家は勇者が生まれた事により狂気に陥り、エレノア王妃にマルティナ姫を連れ去られアーウィン王は襲って来た為に仕方なく倒したと述べた上、ジュイネは世界を救う勇者などではなく闇を引き寄せる悪魔の子と宣い16年前のグレイグに草の根を分けてでも探すよう命ずる。
二人が去った後アーウィンにはまだ辛うじて息はあったが、デルカダール王の言葉を否定して勇者は悪魔の子などではないと呟き、エレノア王妃と息子のジュイネを案じつつもう一度剣を手にしようと手を伸ばすも届かず、絶命した。
「─────。(ここで、アーウィン王の記憶は途切れるはず。だけど僕はまだ過去の記憶の中にいる。今度はエレノア王妃と赤ん坊の僕を追ったマルティナを追いかけないと)」
ジュイネは地下通路から雨の降りしきる城外の森へと出、マルティナを追う。
「(雨がすごくて、視界が悪い??。マルティナ達は、どこまで行ったんだろう。───あっ)」
場面が突如、森の一角に切り替わり、両膝と両の手を地面について項垂れ座り込むマルティナと、その目の前には??見るも無惨に身体を引き裂かれ絶命している王妃と思われる遺体が横たわっていた。
「どうして??どうして、私には何も救えないの??ジュイネもアーウィン様も、エレノア様も??何度繰り返しても───」
「マルティ??」
背後から声を掛けた瞬間、マルティナは弾かれたように振り返り立ち上がる。
「ユグノア王国を滅ぼした悪魔め??私は、お前を決して許さない??!!」
その顔は雨に混じった涙に濡れ、憎しみの形相で目の前のジュイネを捉え鋭い脚技を放つ。
「ま、待ってマルティナ! 僕は───」
『ゲハハ??その女の目に映る今のお前の姿は、悪魔そのもの??。深淵の悪夢に、そのまま沈むがいい??!』
「!?」
おぞましい声が響き渡った直後、ジュイネは暗闇の只中に居た。
「マルティナ??マルティナ、どこ???!」
『あの女は、お前という悪魔を散々蹴り潰した後??過ちに気付き絶望するのだ。守るべき者を、亡き者にしたという事実にな??』
「どこだ??姿を現せ! お前がアーウィン王やマルティナに悪夢を見せ続けてるんだろう!」
『
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ