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DQ11長編+短編集
悲劇と悪夢と
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、これからを生きねばならないのですから??』


「(───母、上??)」

 
『た、大変です??! ユグノア王国に向けて、魔物の大軍が押し寄せて来ております!!』

 兵士の一人が慌てた様子で部屋に駆け込んで来る。


「???来たわね」

「(マルティナから、すごい殺気を感じる)」

 
『エレノア様ぁ、わたし達どうなっちゃうの??!?』

『大丈夫よ、マルティナ??あの人が、アーウィンがジュイネと私達を守ってくれるわ』

 
『??エレノア、マルティナ! ジュイネを連れてすぐに避難を!!』

 甲冑姿のアーウィンはエレノアにジュイネを預け、自分は幼少のマルティナとエレノアを先導して城を襲う魔物から三人を守りつつ地下通路へ向かう。


「───邪魔よ、そこを退きなさい!!」

 大人の方のマルティナの攻撃やジュイネの攻撃も魔物には通じるらしく、アーウィン達に立ちはだかる魔物は勿論の事、他に襲われている人達を魔物から助けながらアーウィン達の向かう場所まで追い掛けるジュイネ。

 避難の為の地下通路の出口まで行くと大柄な三体の魔物が押し寄せ、アーウィンは幼少のマルティナと赤子のジュイネを抱くエレノアを先に頑丈な扉向こうへ逃がそうとする。


「??私はこのまま、エレノア様達を追う。貴方は、アーウィン様を??お願い」

 憂えた表情でそう言って大人の方のマルティナは、エレノア王妃らと共に扉向こうへと姿を消す。


「(マルティナを一人にして、大丈夫なのかな??。ここはアーウィン王の、16年前の悲劇の記憶??。マルティナの記憶とも連動しているなら、追って確かめるべきだろうけど??今はマルティナに言われた通り、アーウィン王の記憶を辿るべきかな)」

 手練のアーウィン王を手助けするまでもないとはいえ、本人には知られずに共闘して大柄な三体の魔物を倒すと、少し距離を置いた場所から自分の娘を案じ呼び掛けるデルカダール王の声が聞こえ、アーウィンは声のする方へ向かいジュイネもそれを追う。


「(───! あれはウルノーガ???! デルカダール王を、闇の力で動けなくして───)」

 アーウィンは元よりジュイネも戸惑っている内に嘲笑するウルノーガの姿はデルカダール王に吸い込まれるようにして消えた。


「(あんなふうにデルカダール王に取り憑いて、それからずっと??勇者の力を利用して命の大樹の魂を奪い、魔王になるために暗躍していたんだ)」

 
『デルカダール王、ご無事ですか??!? 今のは、一体』

『案ずるな、アーウィン??。それよりも、勇者や我が娘は???』

 『ご安心を??我が息子もマルティナ姫も、エレノアと共にたった今城外へと逃がしました』



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