悲劇と悪夢と
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で育ちました。あなたの息子の??ジュイネです」
『ジュイネ??ジュイネ、そうだ??我が息子は───』
嘆きの戦士が俯いていた顔を上げ、その兜の中を目にしたジュイネからすると顔ははっきり見えず、代わりに視界が暗闇と共に渦巻き意識が遠のいてゆく。
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「ん??あれ、ここは???」
『───アーウィン様!』
「??え?」
『ご子息の御誕生、おめでとうございます! 何でも、勇者の紋章を携えてお生まれになったとか??!』
『ユグノア王家に勇者様の生まれ変わりのご子息が誕生なさるなんて、命の大樹信仰の賜物ですわね??!』
「(大勢の人に囲まれた中央に居る、王冠を被った王様みたいな人ってまさか)」
『皆様、ありがとうございます。これから四大国会議がありますので、また後程??』
アーウィンが宴の席である大広間を出て行く際、近くに居たジュイネには全く気付いた様子なく素通りして行った。
「(あれ??もしかして、僕のこと見えてないのかな。ん、大広間の向こうの通路に居るのって、マルティナ??!? どこに、向かって───)」
マルティナが入って行った部屋では、赤子のジュイネを抱くエレノア王妃と幼少期のマルティナが楽しげに談笑していた。
「(あの人が、僕の本当の??。二人をじっと見つめてる大人の方のマルティナも、僕に気づいてないみたいだけど??)ねぇ、ねぇマルティナ??僕のこと、見えてる?」
「????? 貴方、は───」
マルティナは虚ろな目をジュイネに向けるが、すぐに視線を逸らす。
「貴方に、構っている暇はないの??。私は、これから起きる悲劇を??今度こそ止めなければ」
「マルティナ???」
そこへアーウィンが現れ、赤子のジュイネをエレノアから預かり四大国会議に出席する為部屋を後にした。
『外が、急に荒れ始めたわね??。良くない事が起きなければいいのだけど』
呟くように言うエレノア王妃。
「良くないことって、ユグノアの悲劇の───ここが、繰り返し見ているアーウィン王の悪夢なら??悲劇は止められないんだよね」
「????。そんな事は、ないはずよ??それを私が証明してみせる」
「マルティナ、僕は」
『そこに、誰か居るのですか?』
「!?(今??エレノア王妃、と視線が合ったような)」
『どうしたのエレノア様、あたし達の他に誰もいないわよ?』
『今、あの子の??ジュイネの気配を感じたような───いえ、そんなはずはないわね。あの子は誇りあるユグノアの王子として??希望の勇者として
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