眠れぬ夜に
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「えっ?」
「女の子ぽくったっていいじゃない、それがジュイネでしょ? 私は、ありのままのジュイネが好きよ」
諭されるように言われても、ジュイネは納得いかなかった。
「そうなの、かな??。けど将来的に考えてデルカダール王国の女王になるマルティナの傍に、僕みたいな軟弱な男がいるのはよくないんじゃ」
「あら、ジュイネったら??もう私達の将来の事を考えているの?」
「あ、ご??ごめん、勝手なこと考えて」
「ジュイネは亡国のユグノアの王子、私はデルカダール王国の王女で次期女王の身。??もし、ジュイネがロウ様と共にいずれユグノア王国を再建するつもりなら、一緒にはなれないわね」
ふと憂いを帯びるマルティナ。
「え、どうして」
「だってそうでしょう? ジュイネが本来の第一王子としてユグノア国王となったら、他国の国を担う女王とは結ばれようがないもの。??私が、女王の立場を退けば話は別だけれど、私はデルカダール王国の第一王女で国王であるお父様の一人娘。魔王を倒したのちデルカダール王国を復興したら、女王として国を担って行かなくてはならない。長年ウルノーガに取り憑かれていたお父様に、これ以上無理はさせられないもの」
「じゃあ??僕がユグノア国王にならなかったら、マルティナと一緒になれるんじゃないの?」
「───ロウ様は、いずれユグノア王国を再建なさるつもりだわ。ジュイネがロウ様と共に再建するかは別としても。ロウ様はまだまだお元気とはいえ、将来性を考えたらロウ様の実の孫で第一王子であるジュイネがユグノア国王になるべきなんでしょうけど??ロウ様はきっと、魔王討伐後はジュイネには何ものにも縛られず自由に生きてほしいと願うでしょうね」
「自由、に??」
ジュイネは“自由”という事がどんな事なのか思い出してみた。16の成人まで過ごしたイシの村での生活は確かに自由ではあったが、村から出るのは16になるまで許されなかった。まして16になった途端、勇者だと告げられ村を出て、デルカダール王国へ向かったはいいがそこでは悪魔の子として扱われ追われる羽目になり───自由とは言い難い日々を過ごしてきたと感じた。それは、これからも変わりはないのだという事も。
「ジュイネは、どうしたいの? 私と一緒になるかは、別としても」
「??ユグノア王国の再建は、手伝うつもりだよ。だけど僕には国王なんて??荷が重すぎるかな。勇者の立場だって、持て余してるのに。マルティナみたいに、一国を担う覚悟なんて持てないと思う」
「????」
「だけど、だけどもし許されるなら??女王になるマルティナを傍で全力で支えたい」
「???!」
「闇のチ
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