眠れぬ夜に
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、あの??ひとつ聞きたいんだけど」
「何かしら?」
「マルティナから見て僕って??男らしく見えるのかな」
「??え?」
ジュイネからの問いに目を丸くするマルティナ。
「ほら、僕ってその??主に女性からだけど、女の子みたいに見られることが多くて」
「あぁ??。さっきも言ったけれど、ジュイネの髪質と面差しはエレノア様譲りだから、女の子みたいな髪型や顔に見られがちなのかもしれないわね」
「マルティナから見ても、そうなの???」
「再会した当初は、そうね??少し頼りなげな普通の青年に見えて、エレノア様譲りの端正な顔立ちと髪質からすれば??本当は女の子だったと言われても疑わなかったかもしれないわ。声質も、男子にしてはトーンが高いものね。声変わりしきれなかったのかしら??魔物に眠らされた時の声なんて、女の子にしか聞こえないし」
「????」
気まずくなって顔を逸らしたジュイネに気を遣い、マルティナは少しでも褒めようと努める。
「あ、えーっと??もちろん男子らしく凛々しい声の時もあるわよ。それにしばらく会わないうちに、ずいぶん頼もしくなったと思うし??」
「つまりマルティナから見ても、当初よりは頼もしくなったとしても僕はまだ男らしくないってことだよね」
「うーん、確かに可愛らしさは抜けてないというか??」
「マルティナはお姉さん視点で、まだ僕をかわいい弟としか見てくれてないんだね」
「え??それじゃあダメなのかしら」
「そろそろ、マルティナの前でちゃんと男らしくなりたいっていうか??」
「───ふふ、そうなのね。けど焦らなくてもいいんじゃないかしら。魔王を倒した後にだって遅くはないわよ」
「それは、そうだけど??。やっぱりあれかな、しゃべり方がいけないのかな。一人称も男らしく“おれ”にすれば───」
「あら、ジュイネの話し方って穏やかで優しげだから私は好きよ。一人称の僕だって、そのままでいいじゃない?」
「けど、いつまでも子供っぽくないかな」
「私からすればジュイネから可愛らしさが抜かれると、物足りなくなってしまうわ。男らしくなったらその辺の男性と大して変わりないもの」
「それってマルティナは??僕にずっと弟枠で居てほしいってこと?」
不満げな顔をマルティナに向けるジュイネ。
「そういう事でもないけれど??そうね、いつまでも子供扱いというか弟扱いは、ジュイネからしたら嫌なのよね」
「うん、出来ればマルティナに相応しく格好いい男になりたい」
「??私に相応しい男が、格好よくて男らしくあらなければならないなんて誰が決めたの?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ