包まれて
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??ミルレアンの森で氷の魔女の急襲に遭い氷漬けにされかけたジュイネは身体が冷え切ってしまい意識を失って倒れ、森の入り口付近にあった小屋に運ばれて仲間達に介抱される。その際、ジュイネを背負って行ったのはマルティナだった。ユグノア城跡の崖から落ちて流れ着いた川辺から背負った時も思ったが、自分より背が高い割に軽いとマルティナは感じた。
「うぅ??」
毛布を何枚も重ね掛けても、寒さで身体の震えが止まらないようだった。
「このままじゃ本当にジュイネが凍えちまう??暖炉にもっと薪をくべないとな」
そう言いながら火の勢いを強めるカミュ。
「こうなったら、あたしがもっと近くで炎を灯し続けてやろうかしらっ?」
「お、お姉様、毛布に火が移ったりしたら大変ですわ」
本気でやりそうな姉のベロニカを止める妹のセーニャ。
「ジュイネ、しっかり??」
顔を覗き込みながらマルティナは毛布の中のジュイネの冷たい片手を摩る。
「ん??」
「あ、ジュイネ起きた?」
半目を開けたジュイネの目は、マルティナを虚ろに捉えた。
「お、母??さん」
「え??!? や、やだわジュイネったら、私はキミのお母さんじゃ──」
「意識がまだ朦朧としてるみたいね??、マルティナさんこの際だから、お母さんになりきってあげたら?」
ベロニカの言葉にマルティナは思わず目を丸くする。
「えっ?」
「ジュイネ様がお育ちになられたイシの村は壊滅状態で、育ての親であるお母様も消息不明のようですし??無意識の内に、マルティナ様にお母様の面影を見ていらっしゃるんじゃないでしょうか」
セーニャがそう付け加える。
「そ、そうなのかしら??。じゃあえっと、その??──ジュイネ、大丈夫よ。私が??お母さんが付いているから、安心してお休み」
マルティナはジュイネに笑みを向け、頭を優しく撫ぜる。
「??うん、お母さん??」
安心した様子で再び眠るが、依然寒そうに震えている。
「このままだと可哀想ね?、直接温めてあげようかしら」
「えっ、マルティナさん大胆ね??」
ベロニカは驚いた顔をして、セーニャはマルティナに同意する。
「そうですね、その方がいいと思いますわ。回復呪文だけでは補えない面もありますし」
「な、なんと、羨ましいのう??」
「あのなぁじいさん??」
鼻の下を伸ばしたようなロウに呆れるカミュ。
「ウフフ、じゃあアタシ達はちょっと席を外していようかしら〜。さ、行きましょロウちゃん、カミュちゃん!」
シルビアが気を利かせて男性陣と共に小屋を出て行く。
「あー、えっと、あたし達も席外した方がいい
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