私の王子さま
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「そんなことないよ、セーニャにとって“唯一の王子様”になら??なってみたいから」
「それでしたら、もうなってくれていますのに」
「ううん、僕なんてまだまだだよ。セーニャには、僕の隣りで笑っていてほしいんだ。つらく悲しい思いはもう??してほしくないから」
「────っ」
俯いたセーニャがぽろぽろと涙を零し始めた為、ジュイネはオロオロしてしまう。
「えっ、ど、どうして???ごめん、言ったそばから何か悲しませるようなこと言っちゃったかな???」
「違うのです??悲しいのではなくこの涙は、嬉し涙なのですから」
涙を拭い顔を上げたセーニャの表情は、微笑みと共に晴れやかだった。
「私も、ジュイネ様には笑顔でいてほしいです。───あなたと話していると、嬉しくて楽しくもありながら時々切なくなってしまいますが??それ以上にジュイネ様は、私達には知り得ない何か大きなものを背負っていらっしゃるのだと思います」
「????」
「その背負っているものを、少しでも軽くして差し上げたいです。あなたは、自分だけが悲しい記憶を覚えていればいいと仰っていましたが??今でなくても、いつか打ち明けてほしいのです。それがどんなに悲しい記憶でも??私は受け止めます。ジュイネ様だけに、背負い続けさせたくはないですから」
「(??セーニャ)」
「喜びも悲しみも全部??あなたと共有していきたいです。悲しみは、悲しみだけで何も生まないわけではありません。そこからいくらだって強くなる事も出来るはずですもの」
「(そうだね??かつての、君のように)───分かった、いつか話すよ。だからそれまで??待っていてくれるかな、セーニャ」
「はい??!」
end
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