私の王子さま
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「え、いつの間に??ってセーニャ、その大鍋どこから出したの?? 神の岩を登ってる時、そんな大鍋持ってなかった気がするけど」
突如シチューのたっぷり入った大鍋を取り出して地面に豪快に置いたセーニャを不思議そうに見つめて首を傾げるジュイネ。
「細かい事は気になさらないで下さいませ! さぁ??どうぞお召し上がり下さいっ」
「もしかして、大鍋から直接???」
「あ、オタマが必要でしたね! はい、どうぞっ」
「う、うん??じゃあ、いただきます」
香りは何やら怪しげだったが見た目は普通のシチューに見え、ジュイネはオタマで大鍋から直接掬ってシチューを口にした。───その瞬間身体中に衝撃が走り、固まったまま動かなくなるジュイネ。
「い、如何でしたか???」
「?????」
「ジュイネ、様????」
「───────」
「あ、あの??しっかりして下さいませ!《ベホマ》!!」
「はっ、ごめん??お花畑が見えてた」
「それほど、美味しかったという事でしょうか???」
「何て、言ったらいいか???衝撃的な、味だね」
何とか取り繕おうとジュイネは笑顔を見せたつもりが、彼女からすると引きつった顔に見えてしまったらしく、がっくりと肩を落とすセーニャ。
「美味しく、なかったのですね??。申し訳ありません、精進致しますわ??」
「だ、大丈夫だよ??! 僕のために作ってくれたんだから責任持って、全部食べさせてもらうよ」
「ご無理なさらないで下さい??! 自分の料理が致命的なのは、何となく気づいていましたから。ベロニカお姉様がよく作って下さる創作料理を食べ続けていたら、味覚がちょっとおかしくなってしまって??それが私の料理に反映されているのかもしれませんわ。お、お姉様は何も悪くないのです、私の為を思って作って下さいますから??!」
「いつだったかのキャンプで、ベロニカが作ってくれた料理でセーニャ以外みんな一時的に棺桶になっちゃったことがあったもんね??」
「はい、私は多少耐性がついているので問題ありませんけど??。私が作った特製シチューは、自分で責任を持って平らげますから、ジュイネ様はお気になさらないで下さいませね。時間はかかるかもしれませんが、ジュイネ様に美味しいと思っていただける料理を作れるように頑張りますから!」
「うん、楽しみにしてるよセーニャ」
ジュイネからの優しげな微笑みを受け、セーニャは夢見るようなうっとりした表情でジュイネを見つめ返す。
「あぁ??やはりジュイネ様は私にとって、“白馬の王子様”ですわ??!」
「そうなの? 確かに僕は白馬に乗って
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