私の王子さま
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「セーニャ、これ??受け取ってくれないかな」
「えっ?! ジュイネ様??そ、それって」
復興したイシの村で自然と一緒に暮らすようになり、ジュイネから差し出された手のひらの上にあったものを目にしたセーニャは、驚きと共に胸が高鳴るのを感じる。
「ここっ、こ??婚約指輪ですかっ?」
「え、ごめん違うよ。[イメチェンリング]っていうらしいんだけど??着けてみてほしいんだ」
「婚約指輪じゃ、ないのですね??。ちょっと残念ですが、ジュイネ様が私に下さるというなら着けさせて頂きますわ」
本当は左薬指に着けてほしかったセーニャだが、そこは我慢して自分で右薬指に着ける事にした。
「───あ、あら? 急に首回りの風通しがよくなったような」
「??セーニャ、自分の髪がショートになったのが分かる?」
ジュイネに言われ、両の手でいつものように髪に触れてみるものの、肩下まであった髪の長さがいつの間にか短くなっている事に気づく。
「え??あ、本当ですわ! 横も後ろもすっかり短くなって??ど、どうなっているのですっ??」
「その[イメチェンリング]が、セーニャの髪を短くさせてるんだよ。実際に短くなったわけじゃないから安心して、それを外せば元の髪の長さに戻るはずだから」
「そうなのですか??。でもジュイネ様、何故このようなアクセサリーを私に?」
「僕の知ってる君に、また逢いたくなったんだ」
「───え?」
ジュイネの言葉の意味する所がセーニャには分からなかったが、どこか憂いを帯びた彼の微笑に心が締めつけられる思いがした。
「ごめん、勝手なこと言って??。気に入らなかったら外してくれて構わないから」
「いえ??何だか身の引き締まる思いが致しますが、ジュイネ様がこちらの方がいいと仰るならこのままにしておきますわ」
「ロングのセーニャが好きじゃないってわけじゃないからね、どっちのセーニャも??僕は好きだから」
「ふふ??ありがとうございます、ジュイネ様。せっかくですからこのまま、神の岩の頂上まで二人で登りませんか?」
「うん、いいよ。それじゃあ行こうか」
神の岩の頂上にて。
「はぁ??、やはり溜め息が出るほどの絶景ですね」
「そうだね、僕はもう何度か登ってるけど??神の岩の頂上からの景色は何度見ても飽きないよ」
───暫し言葉を忘れ絶景に見入っていた二人だが、セーニャが唐突に思い出したかのように声を上げる。
「そうですわ! 私、ジュイネ様のお母様のペルラ様から教わってあなたの大好物の特製シチューを作ってきたのです! ジュイネ様??食べていただけますかっ?」
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