ベロニカとのひと時
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復興したイシの村で一緒に暮らし始めたジュイネとベロニカは、神の岩の頂上を訪れていた。
「ここが神の岩の頂上ね。絶景だわ??!」
「ふふ、そうでしょう? 一度ベロニカと二人きりで来てみたかったんだ」
「ふーん、そう。??ねぇジュイネ、あたしを選んで良かったのよね?」
「え? うーん??」
「何でそこで考え出すのよ、あんたが言い出したんでしょっ!? 復興したイシの村で、一緒に暮らさないかって!」
「そうだっけ? ベロニカが僕と一緒に暮らしたいって言ったんじゃ」
「はぁ?! 言ってないわよそんな事!! んもう知らないわ、一人で神の岩降りてやるんだからっ」
憤慨したベロニカが踵を返して下山しようとするので、ジュイネは慌てて引き止める。
「待って待って、冗談だから! ??ベロニカを選んで良かったに決まってるじゃないか」
「あっそ! それでいいのよっ。全く??あんたもあたしに冗談言うようになったのね。あんなに頼りなくてぼーっとしてたのに??今も大体ぼーっとしてるけど」
「そんなに、頼りなかったかな??」
「そうねぇ??ひと目見た時からあんたが勇者なのは気づいてたけど、一緒に旅を始めた頃なんて何なのこのひょろ長い貧弱男、ほんとにこいつは勇者の力なんて持ってるのっ?て、疑ったものよ」
その当時を懐かしみつつも、手厳しい事を言い出すベロニカに面目が立たないジュイネ。
「はは??すごい言われよう??」
「大体あんた、ここぞって時に頼りないのよ! あたしとセーニャ、みんなで守らないとあんたってすぐ倒れそうになるんだもの。??というか、実際何度倒れたかしらねぇ」
「??ごめん」
思い当たる節が幾つもあるのと、そのせいで余りにかけがえのないものを失ってしまった事を思い返しジュイネは俯く。??その落ち込んだ様子に焦ったベロニカは、言い過ぎたと感じ褒め言葉を掛けようと試みる。
「えっ、ちょっと、真に受けなくていいのよ? 今じゃその、あたし達がジュイネに頼る事の方が多くなったし、勇者として随分強くなった??と、思うわよ?」
「そうだと、いいんだけど」
「あたしがそう言うんだからそうなのっ! もう、何か調子狂うわね??。いい加減自信持ちなさいよ、このベロニカ様が直々にあんたを褒めてやってるんだからっ」
「ふふ、そっか??ありがとう、ベロニカ」
柔らかな笑みを向けられ、ベロニカは少し恥ずかしくなり一度顔を背けるものの、次の瞬間には心配そうな表情をジュイネに向ける。
「ジュイネ??、あんた疲れてるんじゃない?」
「え、そんなことないよ。邪神だってまだ倒してないし、まだまだ鍛えなきゃならないし、疲れてなんていられないよ」
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