守り導く者として
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
片側のサラサラな髪を指でクルクルいじるような仕草をするジュイネを見ているのが、何やら恥ずかしくなってくるベロニカ。
「だから冗談だって言ってるでしょ!? 只でさえ女の子っぽい顔してるのにそれ以上そうなってどうするのよあんたっ」
「ふふっ??」
「ちょっとセーニャ、笑ってないであんたからも何とか言って───どうしたのよセーニャ、笑いながら泣いたりして??そんなにおかしかったわけ??」
「あ、あら??どうしてでしょう、何だか泣けてきてしまって??今この瞬間が、とても愛おしい光景に感じるのです??」
セーニャは零れ伝う涙を拭い、それを見たジュイネは心がきゅっと締めつけられる思いがした。
「????」
「??あたしもね、魔道士ウルノーガをみんなで倒した直後は、みんなと一緒に居られる事がとても幸せに感じたわ。いえ、ほんとはもう少し前??そうね、聖地ラムダの大聖堂でジュイネが急に居なくなって、他のみんながジュイネを探しに行ってる間にあたしは賢者セニカ様に祈りを捧げてて??その時にジュイネがいつの間にか戻って来て、あたしと目が合った瞬間ジュイネは泣きそうな顔してた??あたしも何だか、ジュイネに再会出来た事を嬉しく思ったのよ??。離れていた時間なんて、そんなに長くなかったはずなのに」
「??───」
「何となくだけど分かるの??あんたはきっと、途方もない事を成し遂げてくれたのよね。感謝してるわ??ありがとね、ジュイネ」
「そんな??感謝してもしきれないのは、僕の方だよベロニカ。ありがとう??それに、ごめんね」
「謝られる筋合いは無いわ、あたしは今こうしてあんた達と居られる事が幸せなんだから??それでいいの。何ていうか、いつの間にかあんた達は姉のあたしが面倒見なくても頼もしくなってるし、二人の姉としては嬉しい限りかしらね。ちょっと、寂しい気もするけど??」
「───お姉様とは今度こそ、同じ葉の元に生まれた双賢の姉妹として??使命を果たしますわ。ジュイネ様が私達を、再び見つけ出して下さったように」
「??!」
セーニャに真っ直ぐ見つめられたジュイネはハッとし、ベロニカは相槌を打って強気な笑みを見せた。
「えぇ、そうねセーニャ。??ジュイネ、覚悟なさい? あたし達の使命はなにも、勇者であるあんたが邪神を倒すその時まで守り抜く事だけが使命じゃないわ。その先もずっと、あんたを傍で見守っててあげるんだからねっ!」
「はは??心強いな。これから先もずっと、よろしくねベロニカ、セーニャ。僕も今度こそ、二人を守り抜くよ」
end
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ