守り導く者として
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【聖地ラムダ、静寂の森のベロニカの墓前】
「(お姉様、私は???)」
「??セーニャ」
「ジュイネ、様??」
「他のみんなとも話し合ったけど、やっぱりみんなも僕だけ過去に戻るのは反対みたいだ。それに危険も伴うからって??」
「私達皆、現在の記憶を持って過去に戻れるなら??例え危険であっても、迷わずそうするのですが。私独りでだって、ベロニカお姉様を??」
「僕は、勇者としての自分の失敗を無かったことにして世界を救い直したいわけじゃない。ただ、ベロニカにもう一度逢えたらって??あの時、死なせないように出来たら、どんな違った未来が見れるんだろうって??興味本位じゃなくて、本当に??ベロニカが存在してくれる世界を見たいって、思うんだ」
「??───その世界に、“今”の私達が??“私”が、存在しなくとも??ですか」
「時の番人が言っていたはずだけど、世界ごと時が巻き戻されるそうだから??今現在をセーニャ達が忘れてしまっても、完全に“無かったこと”にはならないと思う。今ある元の世界で起きた出来事を、僕が覚えてさえいれば」
「ベロニカお姉様だけでなく、私の事も??また、見つけ出してくれますか」
「見つけるよ、ベロニカもセーニャも??仲間のみんなも。だから───」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「??あらセーニャ、あんたいつの間に髪を切ったのよ?」
「ちょっと、気分転換に??どうでしょうかお姉様、似合います?」
「何かさっぱりしてて大分印象が違うわね、頼りない感じが抜けてしっかりして見えるわよ。ねぇ、そう思わないジュイネ?」
「うん、似合ってるよセーニャ」
「ふふ??ありがとうございます」
「けど確かセーニャ、あたしと同じ三つ編みお下げにする為に髪を伸ばしてたんじゃなかった?」
「あ??もしかしてベロニカ、ちょっと寂しかったり?」
「別にそんなんじゃないわよっ、髪が短くなってもあたしの妹には変わりないんだし」
「またここから髪を伸ばして、お姉様と同じお下げを目指しますから安心して下さいませ」
「だからあたしは別に??こうなったらあたしもセーニャと同じくらい髪を短くしてやろうかしらっ」
「ショートのベロニカも似合うだろうけど、お下げのままのベロニカがいいかな」
「あっそ! じゃあこのままでいてあげるわよっ。逆にジュイネ、あんたそれ以上髪を伸ばしたらほとんど女の子にしか見えなくなっちゃうわね!」
「え??ベロニカ、そんな僕を見たいの?」
「ちょっとは見てみたい気もするけど??冗談よ、真に受けなくていいからっ」
「ベロニカがこれ以上髪を伸ばした僕を見たいなら、そうしてもいいけど??」
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