守り導く者として
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たいな子はいたし、その感覚に近いのかな?」
「何にしても、二人してあたしがお姉さんとして守ってあげないとダメなタイプなのは違いないわね。普段からぼーっとしてて危なっかしいったらありゃしないもの」
「うーん??守られてばかりなのは勇者としてどうかと思うから、ベロニカも守れるようにがんばるよ」
「私も??勇者であるジュイネ様をお守りしつつ、ベロニカお姉様もお守り出来るよう精進致しますわ」
「ふーん??ま、その心意気は評価してあげるわ。精々がんばんなさいねっ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【異変後の世界、聖地ラムダの静寂の森にてベロニカが遺した記憶を垣間見て】
『あたしは、どうなってもいい??みんな、あいつから世界を救ってちょうだい??!』
『呪文で場所を指定する暇ないから、どこに飛ばしちゃうか分からないけど??みんななら、きっとまた再会出来るって信じてるから───』
『ジュイネ??あんたが勇者の使命を果たすまで、傍に居て守り続けることが出来なくてごめんね??』
『セーニャ??いつかまた、同じ葉の元に生まれましょう。ジュイネの事、頼んだわよ??』
『???─────』
「????っ!」
「そん、な??ベロニカ、お姉様??」
ジュイネとセーニャは衝撃を受け目を見開き、他の仲間達もそれぞれショックを隠せない。
「(いつものように、運良く助かったんじゃなくて??ベロニカが命懸けで守ってくれたから、僕達は───)」
「お姉様は、もう??居ない。居ないのですね。お姉様の決死の覚悟を??私は受け入れます。───里の皆様にも、お伝えしなければ」
「(??セーニャ)」
聖地ラムダにてベロニカの葬儀後、長老ファナードから大聖堂で神の乗り物について話を聞き、その後休む事になったがそれぞれ眠れぬ夜を過ごす。
「(みんなには休めって言われたけど、そのみんなはいつの間にか宿屋を出て行った。??色々考えてしまって、眠れるわけない。あの時握り潰された勇者の力は、ユグノアの地下で取り戻したと思ってた。けど??その勇者の力を取り戻した所で、ベロニカにはもう??会えない)」
「(僕がもっと、勇者としてしっかりしていればベロニカは───)」
静かに降り続く雨音に混じって、物悲しい竪琴の音色が聴こえてくる。
「(???)」
宿屋から出たジュイネは、竪琴の音色を辿り展望台まで重い足を運ぶ。??そこには、一本の木の幹にベロニカの杖を立て掛け雨に泣く空へ向け哀しき歌と共に竪琴を奏でるセーニャの姿があった。
「───この歌は、誰が遺したのか分かりませんが、この里にずっと伝わる愛する者との別れを惜しむ歌
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