男装の勇者
第八話:過去と未来の行く末に
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へと向かった。
そこには今まで見た事のない景色が広がっており、遺物や遺跡のようなものが広範囲に散乱していた。
ロウはそこである重要な書物を見つけ、皆に読んで聞かせた。
『ロトゼタシアの大地より生まれし悠久の時間の流れを紡ぐ精霊、その名は失われた時の化身。
神の民の伝承いわく、失われた時の化身が守りしは刻限を司る神聖なる光。
その光輝き燃ゆる時、悠久の彼方に失われしものが大いなる復活を果たさん───』
グレイグ
「復活、とは??もしやその光には、失ったものを蘇らせるチカラがあるのでは」
セーニャ
「失ったものを、蘇らせるチカラ???もしや、お姉様を??!」
マルティナ
「ロウ様、その光のチカラについてもっと詳しく書かれていないのですか?」
ロウ
『───刻限を司る神聖なる光、忘却の塔にて静かに輝けり。
古より神の民が守りし“神秘の歯車”を手に入れし時、
失われた時の化身が集う忘却の塔を目指すべし』
シルビア
「神秘の歯車、それがベロニカちゃんを蘇らせる手がかりになるのかしら??」
カミュ
「少しでも希望があるなら、それに懸けてみるべきだ。オレはそうして運命が変わったんだからな」
セーニャ
「??蘇生呪文は、肉体の破損が激しいほど難しくなります。亡くなってしまった直後で、且つ蘇生可能な範囲ならば蘇生率は高まります。ただ、ベロニカお姉様のように肉体が完全に消失し、何ヶ月も経っていては望みはありませんが。───たとえ僅かな希望でも、もう一度お姉様に会えるなら??私は、その希望に懸けてみたいと思いますわ」
ジュイネ
「───??だめだよ」
セーニャ
「えっ、ジュイネ??様?」
その苦しげなひと言に、驚きを隠せないセーニャ。
ジュイネ
「魔王が誕生した時、数多くの人々が亡くなったんだよ。ベロニカだけ、蘇らせたとしても??それをベロニカが喜ぶとは思えないよ」
カミュ
「いや、けどこうも考えられねぇか? もしかしたらベロニカだけじゃなく、他に死んだ多くの人達も蘇らせる事が出来るんじゃ───」
ジュイネ
「そうかも、しれないけど急にそんな都合のいい話??」
グレイグ
「確かに、な??。一度失ったものは、元には戻らないのが現実だ。俺は一瞬、かつての友を取り戻せるのではと思ってしまったが???」
ジュイネ
「─────」
カミュ
「本当に失ったものを蘇らせるチカラがあるってんなら、それを確かめるくらい構わねぇだろ。その時に改めて判断しようぜ」
ロウ
「うむ??カミュの言うように確かめる価値はあると思うぞ。して、肝心の神秘の歯車じゃが───ほれ、そこの壁にそれらしき窪みがある。もしかすると、近くに落
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