男装の勇者
第七話:仲間と共に歩む道
[11/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
竜の鋭い牙を押しとどめている。
ヤヤク
「???。その火竜が元は人だったなら??かけがえのない存在だったなら、そなたはどうする」
ジュイネ
「ぇ???」
人食い火竜はそこで急に頭を反らせ、大きく息を吸い込んだ。
グレイグ
「ジュイネ!!」
ジュイネ
「グレイグはヤヤクさんを守って!!」
グレイグ
「ッ!」
激しい炎を吐くかと思われた人食い火竜だが、どす黒い瘴気を吐き出してそれを真正面から受けたジュイネは───
ジュイネ
「(う″っ???あ、れ? 誰かが、僕を力強く横の方に押しやってくれた??? 仲間の誰が───あっ)」
「ぐ、ぁ??ッ」
ジュイネ
「カミュ! 今すぐ、回復をっ」
カミュ
「オレの事は、いい??それより火竜を」
ヤヤク
「───ハリマ!!」
ジュイネ
「???え?」
凶暴な人食い火竜だったその姿は見る間に変わり、人間の男性の姿となって俯せに倒れ伏しそこにヤヤクが片足の怪我も構わず駆け寄り、里の者達からも驚きの声が上がる。
ヤヤク
「良かった??我が息子が、漸く元の姿に」
ジュイネ
「一体、どうなって??」
ヤヤク
「我が息子ハリマは、以前人食い火竜との闘いで死の間際にあった火竜から凄まじい瘴気を受け、次第に人食い火竜へと変貌してしまったのだ??。私はハリマを死んだものとし隠していたが、他の食べ物ではなくやはり人の肉を欲するようになり??此度に至った」
ジュイネ
「そんな??えっ、待って下さい。凄まじい瘴気を受けたって、まさかさっきカミュが僕を庇って受けたのが」
カミュ
「─────」
ヤヤク
「私が首に下げている“やたの鏡”??真実の姿を映し出すとされるが、いくら磨こうともその鏡は曇ったまま何の効果も発揮しなかった。我が息子の姿が元に戻ったのは、素直に喜べるものではないかもしれぬ??。その者の代わりに、元に戻ったとなれば尚の事。ハリマの意識は??今は戻らぬようだ」
ジュイネ
「カミュ、大丈夫だよね??人食い火竜になったり、しないよね」
カミュ
「なるかよ、そんなもん。───と言いてぇ所だが、やべぇな??今目の前にいるお前に、無性に齧り付きたくてしょうがねぇ。爪も、伸びてきやがった??牙もか? オレから今すぐ離れろ、ジュイネ??じゃないと何しでかすか分からねぇぞ??ッ」
目の色も変わり瞳孔は縦線に、頭を抱えて身悶えるカミュの背中から小さな翼も生え始めている。
ジュイネ
「イヤだよ! カミュは人食い火竜になったりしない??させないっ」
カミュ
「そう、思ってくれるんなら??今の内に殺してくれねぇか、ジュイネ」
ジュイネ
「何、言ってるの」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ