男装の勇者
第七話:仲間と共に歩む道
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イネ
「(カミュ??)」
ジュイネから背を向けたカミュは俯いたまま、両の拳を強く握り締め微かに声も身体も震えていた。
カミュ
「あいつの態度、オレの妹のマヤに似てて??正直あいつとのやり取りが楽しくて、オレもよくからかってやったけどよ???。長く黄金化してた上に魔王の眷属にされてた妹を勇者のお前のチカラを借りてようやく助ける事が出来て、ベロニカと再会して妹も元気になったら会わしてやろうと思ってたんだ。二人して絶対気が合うだろうからな」
ジュイネ
「そう、だろうね??」
カミュ
「??あいつなら、ベロニカならきっと無事だと思ってた。再会して、オレが一時的に記憶喪失になってたって知ったら、ぜってぇ面白がってからかってくるだろうって??」
ジュイネ
「心配も、したと思うよ。ベロニカは、口では厳しいこと言ったりするけど??よく心配もしてくれるから」
カミュ
「分かってるって、それくらい。??心配もしてほしかったってのもアレだが───もう逢えないとか、勘弁してくれよ」
ジュイネ
「?????」
カミュ
「あの場からオレ達を逃がして、あの場にたった独り残って、オレ達に世界を救う事を託して???居なくなっちまった。もうあの憎まれ口聞けないとか、考えらんねぇよ」
ジュイネ
「────。ねぇ、カミュ??ベロニカは、カミュのこと」
カミュ
「言うなよ、やめてくれ??。そうだったとしても、今さら───」
ジュイネ
「???ごめん」
カミュ
「わりぃ、今はもう??一人にしてくれ。心配すんなよ、変な気は起こさねぇから。あいつに、ベロニカに世界を救う事を託されたんだ。それを全うするまでは??どうにかなったりしねぇさ」
カミュと話し終えたジュイネの足は自然と、大聖堂へと向いた。??そこには、先代勇者の辿った軌跡が描かれた絵画を前に一人佇むグレイグの姿があった。
グレイグ
「───??ジュイネか」
ジュイネ
「グレイグ??ここに居たんだね」
グレイグ
「あぁ??絵画に目を向けていれば、この不甲斐ない気持ちを落ち着かせられるかと思ったが、そうもいかぬものだな」
ジュイネ
「????」
グレイグ
「お前は、大丈夫なのか? ───いや、すまん。大丈夫な筈はないな。一房ではなく衝動的に、髪の毛を全て切ってしまいそうだったからな??」
ジュイネ
「僕の髪なんて、どうってことないよ。全部、ベロニカに捧げたいくらいだった。みんなが止めるから??一房にしておいただけだよ。セーニャなんて、髪をばっさり切ったのに」
グレイグ
「そうだったか???」
ジュイネ
「葬儀のあとセーニャと話してたんだけど、何かを決意したみたいに長かった髪を短
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