男装の勇者
第五話:奪われしチカラ
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───それを僕が体現してしまったんだ。
魂の根源を失った命の大樹が、崩壊してゆく???
みんな、ごめんね。本当に、ごめんなさい。
悪魔の子である僕のせいで、こんな────
『???ジュイネ、あんたは本当にこのままでいいのかい?』
『え? 何のこと、ペルラ母さん』
『おじいちゃんが亡くなって数年は経つけど??本当にこのまま、男子として生きて行くのかって事さ』
『─────』
『あんたももう自覚してるだろうけど、本当は女の子なんだよ。おじいちゃんは赤ん坊のあんたを見つけて来てから、男の子として育ててきた。あたしとしては、ありのまま育ててあげたかったんだけどね??。そろそろ、本当の自分と向き合ってもいいんじゃないかい?』
『僕は大丈夫だよ、お母さん。男の子として育ってきたこと、イヤだったわけじゃないから。テオおじいちゃんから教わった男の子の遊びとか、剣術とか大好きだし』
『そうかい? ならいいんだ、あんたはあんたの思う通りにするといいよ。??考えてみたら、男子か女子かなんて関係ないさね。ジュイネがあたしの自慢の子である事に変わりはないんだからね』
『うん??ありがとう、ペルラ母さん』
『──??ジュイネ、私あなたのこと好きよ』
『えっ、エマ??どうしたの、急に』
『気持ちを伝えておきたかったの。??だってジュイネは、勇者として旅立ってしまうんだし』
『そ、そっか??。僕もエマのこと、すきだよ』
『それって、友達として?』
『??それじゃあ、ダメなの?』
『うーん、ダメじゃないけど??。私は、ジュイネとこれからもずっと一緒に居たいくらい好きなの。??だけどお父さんったら、ジュイネはやめときなさいって言うのよ。───子供が望めないから、ですって』
『????』
『そんなの関係ないのに、孫がほしいっていう自分の都合で物を言わないでほしいわ。子供なんていなくたって、私はジュイネと居られればそれで』
『エマ??ごめん。僕はエマのこと、友達としてしか見れないよ。僕とは??一緒にならない方がいい』
『ねぇ??もしかして“そんなこと”で私に気を使ってるの? それともほんとに、友達でしか私を見れない?』
『???、うん』
『そう??分かったわ。ジュイネは勇者として旅立つんだし、これである意味お別れね。でも??でも、ずっと友達でいさせて。お願い??だから』
『もちろんだよ。エマは大切な幼なじみだし、ずっと友達だよ。だから??泣かないで、エマ』
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─────────
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「ジュイネ???ジュイネ、聴こえますか。私が、判りますか
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