男装の勇者
第五話:奪われしチカラ
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うが捻じ伏せるのは容易い。オレより少しばかり背が高かろうが───お前は所詮、男装の勇者だろうがオンナの細腕なのは変わりねぇからな」
ふと、目元を覆っていた片手が今度は口元を塞いでくる。
カミュ
「その時の続き??しようか? 今、ここで」
ジュイネ
「っ!」
カミュ
「冗談、冗談だって。さっきの話もそれらしい事言っただけだ。真に受けるなよ、ジュイネ」
やっとそこでジュイネから片手を放すカミュ。
カミュ
「お前が命の大樹から邪悪なる闇を退けるチカラを得たら??やってもらいたい事があるからな。それまでは、どうこうするつもりはねぇよ」
ジュイネ
「????」
カミュは一人宿屋に戻ったが、ジュイネは暫くその場から動けなかった。
───聖地ラムダの大聖堂から始祖の森へ、天空の祭壇から六つのオーブによって命の大樹へ向かう前に鬱蒼とした森の道のりで消耗した体力を回復するため皆休む事にしたが、ジュイネはまた一人眠れずに焚き火を眺めていた。??その背後から、気遣うような声が掛かる。
「ねぇジュイネ、最近眠れてないんじゃない? 緊張してるの?」
「あ、ベロニカ??」
ベロニカ
「まぁ無理もないわよね。これから命の大樹の元へ行って、あんたを悪魔の子として貶め裏で暗躍してるウルノーガとかいう邪悪なる闇の存在を退けるチカラを授かるんだもの」
話しながらジュイネの近くにちょこんと座るベロニカ。
ジュイネ
「始めのうちは確か??邪悪なる神の復活の兆しがあるからそれに備えるって感じだったのに、いつの間にか対象が違う存在に変わったよね」
ベロニカ
「そうね??姿を見せないしどんな奴かは知らないけど、そいつが何か企んでるっていうのはあんたのおじいちゃんとマルティナさんからの確かな情報なんだし、勇者であるあんたが命の大樹からチカラを授かればきっと炙り出せるわよ」
ジュイネ
「出来るのかな、僕なんかに??。勇者の生まれ変わりって言われても先代勇者は男の人だし、いくら男子を装ってみてもやっぱり僕は───」
ベロニカ
「あんたってさ、背は高めな方よね?」
ジュイネ
「え? あ、うん??そうかも。それが、どうしたの?」
ベロニカに急に話題を逸らされて面食らうジュイネ。
ベロニカ
「あんたより確か三つくらい年上のカミュの方が背が低いのなんでかしらって思ってたんだけど、あいつってば育ちが悪かったんじゃない? その点あんたは育ててくれた村のみんなから愛されてのびのびと育ったみたいだから背が高めなんだと思うのよ」
ジュイネ
「そう、なのかな???? 確かに村のみんなのお陰で食べる物に困らなかったけど??だからって、僕より背が低いからカミ
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