男装の勇者
第五話:奪われしチカラ
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悪魔の子そのものだ!」
グレイグ
「それは、魔王となる為暗躍していた存在と手を組んでいた者の手引きにより起きた悲劇そのものだ。その場に居ながら、止められなかった私にも責任がある??」
グレイグは片膝をついてジュイネの上半身をそっと抱き上げる。
グレイグ
「これ以上彼を傷付けるつもりなら、私が相手になろう。抵抗はしない??思う存分、恨みをぶつけてくれればいい」
人々
「「????」」
ジュイネを暴行していた者達は、それ以上何も言わず各々散って行った。
ジュイネ
「ん??っ、グレ、イグ????」
グレイグ
「気が付いたか、ジュイネ??すまん、俺の居ぬ間にこのような」
ジュイネ
「いいんだ??あの人達の怒りは、当然だよ。沢山の人を苦しめて悲しませているのは、事実だから??」
グレイグ
「それはお前の責任などでは」
ジュイネ
「グレイグ??ほんとに一人で、常闇の魔物を倒してこの地方の太陽を取り戻したんだね??。すごいよ、グレイグこそ、勇者だよ」
グレイグ
「違う、それはお前の存在があってこそだ。お前はそれこそ俺にとって、太陽のような───」
ジュイネ
「傷だらけ、だね??回復しなきゃ」
掠れた声でジュイネはグレイグに回復呪文をかけるが、あまりに弱々しかった。
元々端正な顔立ちを殴られたり蹴られたりした為か、所々赤く腫れ上がり鼻や口の端からは血を少量流している。
グレイグ
「俺もお前に回復を???すまん、ただでさえ低い魔力が尽きていたようだ」
ジュイネ
「グレイグ??ゆっくり休んでね。僕はこれから、はぐれてしまった仲間のみんなを探して??誕生させてしまった魔王を、必ず倒さなきゃならないから」
グレイグ
「───俺も共に行かせてくれ、ジュイネ」
ジュイネ
「え??」
グレイグ
「俺はずっとお前達の??お前の仲間となりそのチカラとなる事を望んでいた。今の俺ならば、何の枷もなくお前の仲間となる事が出来る。ジュイネ??お前がそれを望んでさえくれれば」
ジュイネ
「───??ダメだよ」
グレイグ
「!?」
ジュイネ
「仲間を探すとは言ったけど、安否を確かめたいだけなんだ。魔王は???僕一人で倒す」
グレイグ
「何を、無茶な」
ジュイネ
「これ以上、みんなに迷惑をかけられないから??。災いを呼ぶ悪魔の子の仲間なんて、周りに思われてほしくない。グレイグはこのまま、最後の砦の英雄でいるべきだよ。僕と一緒に居たら??グレイグまで魔王を誕生させた悪魔の子の仲間だって思われてしまう」
グレイグ
「??これまで行動を共にしてきた仲間達が、そのような事を気にす
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