男装の勇者
第五話:奪われしチカラ
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駄目だったか??)」
グレイグは気を取り直し、人魚姿のジュイネを休憩用テントに運ぼうと横抱きしたその時だった。
ジュイネの全身が光り出し、間近のグレイグは目を開けていられなくなった。
??段々と光が収まったのを感じ、グレイグが再び目を開けると驚いた事に、横抱きしたジュイネの身体が何一つ纏っていない姿と化しており、魚だった下半身は人間のそれに戻っていて、目のやり場に困ったグレイグは一旦横抱きしていたジュイネを降ろし、鎧ではない私服の上着を素早く脱いで上からジュイネに被せるようにして着せたものの、余りにブカブカで華奢な肩からずり落ち胸元が心許ない。
エマ
「グレイグ将軍様のお陰で、ジュイネは自分の本当の姿を取り戻せたのね??よかった」
グレイグ
「おッ、俺のお陰かどうかは定かではないが??と、とにかく休憩用のテントに休ませねば」
グレイグはジュイネの胸元を出来るだけ隠すように、生足が見えぬように抱き上げて行こうとする。
ペルラ
「お待ちになって、グレイグ様! ??川辺に何か、また流れ着いたようだよ。───おや、これはジュイネが旅立った時に身に着けていた装備品じゃないか! どうなってるのかよく分からないけど、乾かしておかなきゃね!」
グレイグ
「そ、そうか。身に着けていたものが戻ってきたのは何よりだ」
グレイグは自分の腕の中のジュイネに目を戻す。??人魚の姿だった時と違い、虚ろな目は開けておらず今は目を閉じ安らかに眠っているようだった。
誰も使っていない休憩用テントのベッドに、意識のないジュイネを横たわらせたグレイグは、ある箇所が気になった。それは、ジュイネの胸元だ。
興味本位などではなく、何一つ纏っていない姿をほんの少しの間だけでも目にしてしまったグレイグにはジュイネの胸元の中心が、どす黒く変色して見えたのだ。
周囲は篝火が焚かれているとはいえ、暗がりで目にしたからそのように見えたのかと思いたかったが、違った。
自分の上着を着せた胸元部分をそっと下げて見る。───すると、やはり見間違いではなくぽっかりとそこだけ穴が空いているかの如くどす黒く変色していた。
グレイグ
「(ウルノーガに貫かれた胸元??なんと痛々しい事か。即死しなかったのが不思議なくらいだが???生きていてくれて、本当に良かった。ジュイネ───)」
そこで自然とグレイグはジュイネの口元にそっと口付けた。
グレイグ
「(??俺の心は決まったよ。ここで待っていてくれ、ジュイネ)」
デルカダール王
「───??グレイグよ、それは真か? デルカダール城に巣食う常闇の魔物をそなた一人で、倒しに向かうなど」
グレイグ
「はい、我が王よ。かねてから作戦に上がっていた、デルカ
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