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DQ11長編+短編集
男装の勇者
第五話:奪われしチカラ
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乗って一人危機を脱した。


────────

──────

兵士
「??グレイグ将軍、大変です!」

グレイグ
「何事だ、魔物共の奇襲かッ?」

兵士
「いえ、それが??砦内南東の川辺で、流れ着いたものの存在がありまして」

グレイグ
「勿体ぶった言い方だな、一体何が流れ着いたのだ」

兵士
「半身、半魚といいますか??とにかく将軍も来て下さい、実際目にした方が早いかと」

グレイグ
「????」


エマ
「あ、グレイグ将軍様、こっちです!」

グレイグ
「エマ殿、危険かもしれんから離れていた方が」

エマ
「危険じゃないです、だって??ほら」

 村娘のエマが指し示した川辺の縁には、下半身が鱗に覆われた尾びれを横にして座っている存在が目についた。??上半身は胸元に薄布を纏っているだけの儚げな姿で両の手は地面につき、肩ほどまでの髪の長さで項垂れている為に顔はよく見えなかった。

グレイグ
「半身半魚、というのは??こういう事か」

ペルラ
「グレイグ様! この子の顔を覗き込んで見たら??うちの子のジュイネにそっくりなんだよ!」

グレイグ
「な、なんと??ペルラ殿、それは本当かッ?」

 篝火が焚かれている中グレイグが間近に寄って片膝をつき半身半魚の顔を覗き込んでみると、確かに見知った端正な顔立ちだったが目は据わり生気を失ったような無表情だった。こちらの呼び掛けにも一切反応しない。

グレイグ
「お前は??お前は、本当にジュイネ??なのか?」

「─────」

グレイグ
「何故、このような姿に??何があったのだ、あれからもう??数ヶ月は経つが」

「─────」

グレイグ
「そんな姿では、凍えてしまうだろう。この地方の太陽は??あれ以来暗闇に隠されてしまっているからな」

「─────」

グレイグ
「とにかく、休憩用のテントに運んでやらねば??」

エマ
「待って、グレイグ将軍様」

グレイグ
「どうした、エマ殿」

エマ
「ジュイネは、おとぎ話の人魚みたいな姿になってるけど??私が幼い頃に読んだ絵本に、自分の本当の姿を忘れたお魚の話が出て来るの。そのお魚に、無償の愛をもって口付ければ??本当の姿を取り戻せるって」

グレイグ
「子供に読み聞かせるような絵本の中の話を、信じろと???」

エマ
「試してみる価値は、あると思うの。??私が、やってみます。ペルラおば様、いいかしら」

ペルラ
「エマちゃんが、そう言うなら??」

エマ
「??───」

 幼なじみのエマは、人魚姿のジュイネに近寄り両膝をついて頬に手をやり、顔を上向かせて口付けた。

他の者達からすればエマの
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