男装の勇者
第五話:奪われしチカラ
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クレイモラン王国の問題を解決した一行はブルーオーブを受け取り、これで命の大樹へ向かう為の六つのオーブが揃った。天空の祭壇へはゼーランダ山の頂上へと赴き、ある里を経由して始祖の森に入らなければならないらしい。
??ミルレアンの森でグレイグ将軍と共に魔女に氷漬けにされかけたジュイネは高熱を出して寝込み、その際に見た夢がきっかけとなって変にカミュを意識し始め、チラチラとつい視線を向けてしまう。それでいてカミュから見つめ返されると、恥ずかしげに顔を逸らすのだった。
カミュ
「───なぁジュイネ、オレに言いたい事あるならハッキリしてくんねぇか。高熱で寝込んでたのから回復した辺りから、やたらお前の視線を感じるんだが」
ジュイネ
「なっ、な??何でも、ないよ」
カミュ
「ホントかよ??何でもない割に意味ありげな視線送ってくるのは何なんだよ」
顔を逸らしたジュイネを覗き込むようにして顔面を間近にするカミュ。
ジュイネ
「そっ、そんなに近づかないでってば??っ」
セーニャ
「ジュイネ様は、カミュ様がお好きなのですね!」
ジュイネ
「ふぇっ?」
ベロニカ
「ちょっとセーニャ、そんなストレートに言うもんじゃ」
セーニャ
「私もベロニカお姉様が好きすぎて、よく視線を向けてしまいますもの。お姉様は気付いてらっしゃらないみたいですけど??」
ベロニカ
「知ってるわよそれくらい。何ていうか??常に視線は感じるけど相手するの面倒だから大体無視してるだけよっ」
セーニャ
「そんな、無視なさらないで下さいませお姉様??。私はこんなにもお姉様を想っていますのに」
ベロニカ
「あぁもう、やっぱりめんどくさいわねあんたはっ。??それはそうとジュイネ、ほんとにスキかどうか知らないけどカミュはやめときなさい。なんたって手癖悪いし」
カミュ
「あのなぁベロニカ、お前にオレの何が分かるってんだよ。??女癖まで悪いワケじゃねーぞ」
ベロニカ
「そう言うって事は、ジュイネを女子だって認識してるのよねー? 本人は別に嫌なわけじゃなくて男の子として育ったのに、そんな邪な目で見られちゃ迷惑だわよっ」
カミュ
「───勇者の使命ってのを果たせば、男子を装う必要無くねぇか」
ジュイネ
「???!」
ベロニカ
「それはそうかもしれないけど、それを決めるのはジュイネ自身でしょ。あんたが決めていい事じゃないわ!」
カミュ
「へいへい、悪かったな。??この話は終いにしようぜ」
ジュイネ
「(男子を装う必要が、無くなる??。そんな時が、来るのかな。勇者の、使命を果たせば───。けど僕は、その先をどうしたいんだろう。どうすれば、いいんだろう)」
神語りの里、聖地ラ
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